2001年7月1日日曜日

2001年7月1日(日)

銀行に電話してキャッシュカードの使用を停止してもらう。既に使われた形跡が あるとのこと。幸い暗証番号が合わず、引き出されることはなかった。けれどもう財布は帰ってこないだろう。
足取り重く芦別に向かう。まだアルコールも残っていてつらい。素晴しい気候と風景が救い。
午後一時、芦別ディランに到着。一年振りにマスターの忠さんと奥さんの美香子 さんに再会。お、なんか元気が出てきた。
今日は午後三時からの開演で、Shyさん&石井明夫君とのジョイントコンサート。Shyさんとは山口の宇部市で会って以来、明夫君とは2年以上前に新潟で 会って以来の再会。こうやって互いに旅の途中で再会するのは嬉しいもんだ。
演奏が始まってもディランのドアは開けっぱなし。僕は二人の演奏に耳を傾けな がら店の回りをぶらついた。 駅前にもかかわらず、通りは寂しげで、店内の盛り上がりが嘘のよう。人気の少 ない路上にたたずんでいると、ぽつんと取り残された気分。近くの商店街に設置されているスピーカーからはモーニング娘のナンバーが流れていて、デイランから聴こえる明夫君の歌声と重なりあう。おそらく僕のみが知るコラポレートであ る。
重なりあった歌声は乾いた風に吹かれて、行くあてなくどこかへ消えていった。ドアから店の中をのぞいてみると、せまい店内で演奏者とお客さんが一体となっ て、盛り上がりはピークをむかえているようだった。
この日は、マスターの忠さんのリクエストで多分3、4年振りに「臆病者」を歌った。僕は全く覚えていないのだが、以前、ディランに歌いに来たときのリ ハーサルで僕がこの曲を歌っていて、本番でやるのかと思っていたらやらなかったそうだ。なんでレパートリーからはずしていた曲をリハーサルで歌ったのか、自分でも不思議だったけれど、本番で歌ってみたらその理由がわかった気がし た。この日、歌っていて最もせつなくなった曲だった。聴いていたお客さんも同 じ気持ちだった気がする。そこにいた多くの人達はこのやっかいな胸のしめつけ られる想いを持て余しながらも、失くしたくはないのだろう。
歌ってよかった。でも、もういいだろう。やっかいものを笑い飛ばしたりしなが ら、もう少しかわいたブルースを歌おうと思う。この日の打ち上げも長かった。酔っ払った僕はカウンターに入って、にわかDJをやらせてもらった。曲に合わ せて踊り狂うみんなを眺めてたらとても愛しい気分になった。

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