2001年12月5日水曜日

「リクオのハプニングデイズ」at 大阪バナナホール

 20周年を迎えたバナナホールと僕の付き合いは長い。始めてここのステージ に立ったのが大学1回生だった16年前。まだ本格的に歌い始める前で僕はバン ドのキーボーディストだった。CDデビューを記念したライブをバナナで行ったの が11年前。そのときのチケット代は当日2千円。11月にリリースされた初の ライブアルバムの音源のほとんどもここで収録されている。こうやってステージ から20周年を祝うことができるのは嬉しい。
 初共演のはじめにきよしはギターのはじめ君とピアニカのきよし君の二人から なるアコースティックデュオ。ゴンチチを少し素朴にしたような、どこかとぼけ ていて、懐かしく、暖かいサウンドが魅力。二人のキャラもいい。曲間の両者の 掛け合いと間の取り方が絶妙。またいい出会いができた。   バンバンバザールは南君と安藤君が抜けて、ベースに泥水の黒川君が参加した 後、初の大阪ライブ。サウンドはアコースティックからエレキ色が強くなり、骨 太になり重みが出てきた。フィッシュのようなインストとギターソロをフィー チャーしたナンバーもあったり、以前にはなかったサウンドアプローチが感じら れ、バンドは大きな転換期にある様子。
 バンバンとのセッションコーナーでは彼等のアレンジで僕と友部正人さんとの 共作「カルヴァドスのりんご」を共演、とても印象深いセッションになった。僕 が弾き語りで演るときの、ジャズ的なテンションの入ったコードワークで、クー ルに同じフレーズ、リズムを繰り返すミニマルなサウンドアプローチとは異な り、この日のバンバンのアレンジはニール.ヤング&クレイジーホースを想わせ るフォークロック調のハードでストレートなものだった。前者のイメージが青白 い炎なら後者のイメージは真っ赤な炎。なんだか昔の血が蘇ってくるような感じ で燃えた。
 バンバンは来年、一台の器材車にスタッフとメンバーが乗り込んで200本を 超すツアーに出る予定だそう。ツアー中に季節が変わるので、旅の途中で服装の 衣替えをするのだとドラムの武田君が楽しそうに語ってくれた。彼等の旅の話は 尽きない。そんな話を披露する時のメンバー達は本当に生き生きとしている。同 じ楽屋になって一番楽しいバンドである。200本のツアーを終えた後、彼らは また成長した姿を僕らに魅せてくれるだろう。現在、これほどにバンドらしいバ ンドを僕は他に知らない。長く続いてほしい。
 バナナホールでの打ち上げを終えた後、マネージャーテツとエンジニアスタッ フの恭一さんと3人で飲みに行く。軽く飲んで帰るつもりが、明日のステージに 向けて熱く語り合う長いミーティングになってしまった。

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