2004年5月20日木曜日

5/20(土)長崎 JB TRICK

 午前10時にホテルをチェックアウト。眠い。熊本から鳥栖駅で長崎行きに乗り換えなのだが、車中、寝ていて、ふと気付いたら停車していたので、慌てて下 車したら、1駅前の久留米駅だった。気付いた時には、もう電車は動き始めていて、ショック。その後、すぐに普通列車が来てくれたので、鳥栖駅での乗り継ぎ に間に合う。
 今日でライブ5連チャン。遅くまで歌って、飲んで、騒ぐ毎日の割には元気。昨日、汗をたくさんかいたのが、よかった気がする。なんか気分がすっきりしている。
 長崎は生憎の雨。今日は修学旅行のシーズンで市内のホテルがどこも満室だったので、カプセルホテルに泊まる。ここのサウナ風呂がなかなかよかった。リハを早くに終わらせて、本番前にゆっくり湯につかり、その後30分程仮眠。体調OK。
 JB TRICKで今年の1月に初めて演奏させてもらったときの動員は悲惨だった。マスターのアオジ君が、なるべく早くにリベンジしたいとのことで、実現した今回ライブは席がほどよく埋まって、よく盛り上がった。サンキュー、アオジくん。
 ライブの後、JBで打ち上がり、一通り盛り上がってから、アオジ君にお願いしてパニック.パラダイスというお店に飲みに連れて行ってもらう。そこは、自 分が‘96、7年にオリジナルラブのツアーに参加して長崎に来た時、何度か飲みに行って、とても印象に残っていた店なのだ。とにかく、マスターの酔いどれ ぶりと、音楽へのこだわりと愛情が強烈だったのだ。
 地下の店へと続く階段を降りて行くと、ドアの向こうから、とてもいい感じのラグタイム・ギターが聴こえてきた。曲は”AIN'T NOBODY BUSINESS”。一瞬、有山さんのCDかと、思ったけれど違うようだ。ドアをあけると、すぐ側にDJブースがあって、そこには、すっかり白髪が目立つ ようになったマスターが、座っていた。嬉しくて、いきなり「この演奏、いいですね。」と声をかける。マスターはオレのことを覚えていなかったようだけれ ど、にっこりと笑顔を返してくれる。前とは印象の違う穏やかな表情。
 曲は続いて「ディディ・ワッ・ディディ」。前曲と同じ人の演奏のよう。これ、誰?気になってマスターに聞きに行く。そこのカウンターに座っている男がこ のお店で演奏したライブ・テープを流しているのだと教えてくれる。さっそくその男性に話し掛ける。30前ぐらいと思われるその男性は総一郎と名乗る。自分 も自己紹介したら、彼は驚いた様子。
 実は、彼が東京に住んでバンド活動をしていたときに、オレが彼のバンドのレコーディングに1曲参加していたそうだ。話を聞いている内に自分もその録音を思い出す。録音の時は被せ録りで、バンドのメンバーが立ち会っていなかったので、彼とは今日が初対面。
 総一郎君はその時にオレが録音に参加したことをずっと光栄に思っていてくれたそう。こんなところで会えるなんて感激だと喜んでくれた。オレも嬉しくな る。総一郎君から、お店に置きっ放しになっているハモンド・オルガンがあるので、何かセッションしませんかと言われる。せっかくなので数曲やる。曲は 「ジョージア・バウンド」「ブリング・イット・オン・ホーム・トゥー・ミー」他。
 セッションの後、マスターも交じって一緒に飲む。マスターの名前が土山さんだということを初めて知る。土山さんは、前日に世界的なジャズ・ドラマーのエルビン・ジョーンズが亡くなったので、喪に服している最中なのだそう。だから今日は酔っぱらっていないのか?
 エルビィンは長崎出身の日本人の奥さんと結婚して、晩年は奥さんと8年間長崎に住み続け、土山さんと深い交流があったそう。土山さんにとってエルビィンはお父さんのような存在だったそうだ。
 土山さんには自分のライブ盤「ROLLIN’」とクレイジーフィンガーズの「ピアノフォルテ」をプレゼントする。さっそく「ピアノフォルテ」をお店でかけてくれる。
 前回に飲みに来た時も感じたのだけれど、このお店のPAシステムは素晴らしい。部屋鳴りもよくて、音に臨場感が出る。
 おお、クレフィンかっええやん!
 次にエルビィンのアルバムを聴く。 ‘70年代のヤン.ハマーが参加してるやつ。すごい迫力。
 次に土山さんがオレのライブ.アルバム「ROLLIN’」を大音量でかけてくれる。このアルバムを今まで聴いた中で、最高の音だった。
 オレはレコーディングの時に聴きまくった後は、熱心に自分の作品を聴き返すことが少ない。たまに聴き返すと、反省点ばかりが気になったりする。こんなに じっくり自分の過去の作品を聴くのはめずらしいことだ。特にライブの後、打ち上げの時にお店の人が気を聞かせてオレのアルバムをかけたりすると、落ち着か なくて、やめてほしいなと思うことが多い。それが、今日はちっとも嫌じゃなかった。3人で聴き入ってしまった。すごく気持ちよかった。自分はいい作品を 作ったんだと実感できた。
 すっかり夜も更けて、土山さんが最後にオレにリクエストを求めたので、アリシア・キーズを注文。「YOU DON'T MY NAME」ときて「IF I AIN'T GOT YOU」。最高。
 総一郎くん、土山さんと抱擁して店を出る。BGMはロバータ・フラック。
 いい夜だった。

★開演前に街をぶらついて、路地裏で撮影。

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