2005年10月11日火曜日

10/11 (月) 『ROLLNG SINGERS REVIEW』総括

 一つのイヴェントにこれほどまで深く関わって、力を入れたことはなかった。そろそろこういうことをやらんといかんかな、という気はしていたのだ。私生活 ではなるべく面倒なことを避けて生きてきたのだが、やはり楽しむためには、たまには面倒なことも引き受けないといけない。
 と書くと格好が良すぎる。まず単に、祭り事が好きなのだ。
  しかし、イベント.プロデュースがこんなに大変だとは思わんかった。出演者のブッキング、スタッフ集め、お金の計算、プロモーション、ステージの構成 etc.やるべき事、考える事がいっぱいだった。とても一人ではやりきれない。元々共同作業で進めることだから、関わってくれている人達に、もっと任せれ ばいいのに、最初はなかなかそれができなかった。
 鶴川座の酒井君やさっちゃんとはこまめに連絡を取り合ってはいたのだが、彼らの中でもオレに対する遠慮があったようで、厳しい現状を抱え込んだまま、なかなかオレに打ち明けられない日々が続いたこともあった。
  とにかく前売りがなかなか動かないのには参った。はっきり言って甘くみていた。鶴川座の素晴らしさ、川越という街の風情、出演者の素晴らしさ、イヴベント の独自性、ワクワク感がなかなか伝わらなかった。実際にまだ観てもらっていないものを、人に伝えることが、こんなに難しいとは思わなかった。
 イベント初日、当日チケットが伸びて、新しい席を用意しなきゃいけないくらいお客さんが来てくれたときは、ほんまほっとしたし、嬉しかったなあ。
  ダンボールで制作された『ROLLNG SINGERS REVIEW』のロゴ看板、出演者の名前が手書きされた掛け軸、畳に座布団の座席、会場内に出店 した駄菓子屋、ボランティア.スタッフが前日から仕込んだカレー(完売!)、会場入り口に出店したフリマ、たこ焼き屋etc.来てくれたお客さんには、こ のイベントの手作りの味わいが十分に伝わったと思う。
 当日、出演者のステージはなるべくすべて観るようにした。開演から終演まで、客席と舞台裏 を何回も何回も往復した。お客さん気分で客席でビール片手にステージを観ていたら、いきなり舞台から呼びだされて、急いでステージに走って行く、なんてこ ともあった。他の出演者も皆そんな感じでイベントをまるごと楽しんでくれていた。みなオープンマインドで、その場で起こるさまざまな化学反応を楽しんでく れているように見えた。
 地元のDJ,VJチームであるパラスキクルーの参加は、期待以上の効果をもたらしてくれた。特に映像と演奏のコラボレーションは新鮮だった。
 出演者同士のセッションを、このイベントの一つの売りにしたのは正解だった。楽屋裏でセッション曲が決まったり、ステージでいきなりセッション曲が決まるなんて場面もあった。予定外の出演者の飛び入りもあった。
 楽屋はリハーサルスタジオであり、出会いの場であり、宴会場でもあった。人と人がつながってゆく瞬間、音楽が生まれるレアな瞬間を、その場にいた人達と共有できたと思う。
 お客さんは観ているというよりは、参加してくれている感じだった。お客さんも化学反応に加わってくれた。いいリアクションをたくさんもらった。
 今年の5月に初めて鶴川座を訪れたとき、ここでなきゃできないこと、ここからでなきゃ生まれないことがあると直感した。その直感は間違いではなかった。
  川越は東京からみれば、辺境の地だ。当初、そんな場所でイベントをやることを危惧する声が、自分の耳にも多く入ってきた。実際開催にいたるまでの間に結構 苦労したこともあったし、興行として考えれば、大成功とは言えない。でも、失ったものは何もないように思える。たくさんのものを得る事ができたし、多くの 人達とそれらをシェアできたことが嬉しい。
 自分がやろうとしていることは、世界の中心で叫ぶことではなく、世界の片隅で楽しみまくることだと思う。そこから何かが生まれ、点と点が線につながり、広がって行けばいいなと思う。
 鶴川座代表の酒井君が打ち上げの席でオレにこう言った。
 「やっと始めることができました」
 そう、まだ始まったばっかりやね。 
 『ROLLNG SINGERS REVIEW』は終らないカーニバル。KEEP ONである。

 集まってくれたお客さん、出演者の皆さん、関わってくれたスタッフの皆さん、イベントに協力してくれた関係者の皆さんに、ほんま心から感謝します。ありがとう。最高の二日間でした。これからもよろしくです。
★開場前に鶴川座前で撮影。10/8
★打ち上げで山口洋、スタッフ達と記念撮影。オレ、既にかなり酔ってました。10/9
 

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