2007年3月31日土曜日

「生きて泳げ 涙は後ろへ流せ」

大阪フェスティバルホール
「生きて泳げ 涙は後ろへ流せ」
【プロデューサー】三代目魚武濱田成夫【音楽監督】高野寛
【出演者】三代目魚武濱田成夫/金子マリ/窪塚洋介/小泉今日子/斉藤和義/坂本美雨/手嶌葵/浜田真理子/一青窈/リクオ
  プロデューサーに詩人・三代目魚武濱田成夫を迎え、中島みゆきの詩と詞と曲のみでステージを構成するというイベント。イベントの仕掛人はfm802の岩尾 さん。自分はこの人の御陰で、何度も大きなステージに立たせてもらっている。岩尾さんの関わるイベントに外れなし。集まるスタッフもこだわりと情熱を持っ たプロフェッショナルばかり。やりがいのあるいい現場。
 オレが歌う候補曲として、事前に三代目と岩尾さんが選んでくれた曲の多くは、自分が学生の頃によく聴いていて思い入れのある曲ばかりだった。なんでわかったん?という感じ。最終的に選んだ2曲「彼女の生き方」と「流浪の詩」は、今の自分に通じる歌だと感じた。
  「彼女の生き方」の歌い出しのメロディーは恭蔵さんの「プカプカ」とそっくりである。「流浪の詩」のサビのメロディーはアメリカン.フォーク.トラッドの 「コットン.フィールド」からの引用である。それらの引用に気付くことで自分は、中島みゆきという表現者にそれまで以上のシンパシーとつながりを感じた。 先人のさまざまな表現にインスパイアされ、それらを受け継ぎ、消化して、解釈を加えることの先に、オリジナルと呼ばれる作品が生まれる可能性があるのだと 思う。
 「彼女の生き方」「流浪の詩」の2曲を歌ったのは今回が初めてだったけれど、自分は20年数年の歳月をかけて、それらの歌を消化し、解釈してきたような気がする。だから、無理なく自分の歌として歌うことができた。
  今回のイベントの音楽監督である高野寛君を中心にしたバンドとの共演も楽しく、自分のバンドの一員として演奏できた気がする。同世代である高野君とは古く からの顔見知りではあったけれど、ようやく音を交わし合うことができた。この日が彼との本当の出会いになったように思う。
 この日、楽しみにしていたことの一つは、小泉今日子さんとの初対面。自分達の世代にとってキョンキョンはやはり特別なアイドルである。
 いや~、やっぱりときめいたね。打ち上げの席で、CDを手渡しに行ったら、「あたしリクオさんのCD持ってますよ」と言われて、嬉しかったあ。
 実際のところ、挨拶程度しか話せなかったけれど、人を緊張させない、心地よくさせるオーラを発している人だと思った。オレの一つ年下だから、もう四十を超えているはずなのに、いまだにカワイイ。キョンキョンという呼び名が今でもよく似合う。やっぱり素敵な女性でした。
 他の出演者の中では、浜田真理子さんの弾き語りが特に印象に残った。哀しみが浄化されるような歌。手嶌葵さんの声も素晴らしくよかった。久し振りに再会した斉藤和義君は増々の脱力ぶりが頼もしく感じた。
  今回のイベントのプロデューサーである三代目とは多分4年振りくらいの再会。彼は自分のソロアルバムのなかでオレの曲を2曲取り上げてくれていて、もう随 分と前になるけれどライブでも何度も共演していている仲なのだ。クールに裏付けられたワイルドネスは相変わらず。バランスを意識しながら、バランスを壊す ことのできる表現者だと思う。
 2次会はマーサで。マーサのK夫妻とは学生時代からの音楽仲間。実は、この日オレが歌った2曲は Kも大好きな曲で、学生時代に一緒に聴いたりした思い出の曲でもあるのだ。そんな歌をこの日の舞台で演奏できたことは、自分にとってもK夫妻にとっても感 慨深いものがあった。

2007年3月25日日曜日

山口洋を語る

埼玉県 入間市  MUSIC CAFE SO-SO? 
「 MUSIC FROM SO-SO? vol .2」【出演】山口洋(HEAT WAVE)ゲスト:リクオ
 前日に続いて、SO-SOのオープニング記念ライブに参加。この日は、山口洋のゲストという形。
 一緒に演奏していて、これだけ会話のできるプレイヤーは少ない。音を交わすことによって、新しいグルーヴが生まれる感じ。いい感触をもらった。
 HEAT WAVE山口洋の大ファンであるSO-SOの酒井君は、終始緊張気味で山口とうまく会話できない様子だった。ノーウェアマン山口洋も初めての場所で、少し 戸惑っていたのかな。そう言えば友部正人さんが前に山口のことを「背中に哀愁がある男」って言ってたなあ。確かに。
 山口洋は、外に対してだけでなく、内なる自分に対しても抗い続けているように見える。こうありたいという理想を目指して、ある意味「山口洋」というフィクションを演じようとしているようにも見える。
  勝新も、やっさんも、アリも、猪木も、永ちゃんも、小林旭も、身を削って巨大なフィクションを生きようとしたからこそ、リアリティー、説得力を獲得するこ とができたのだと思う。山口洋の場合、振り切れるまでの葛藤とかぎこちなさが、ある種の色気につながっているように思う。
 山口洋はストイックな 理想主義者とも言えるかもしれない。無理をしてストレスを抱えながら、それらを糧に創作し続けるタフネスは、今の若い世代に欠けている要素のように思う。 山口に比べると、自分はもっと流されてる感じやなあ。山口洋をみて自分のことを考える、山口洋につっこんで、自分につっこむという感じ。
 この日、彼の音楽に触れて「自分はやはり弱さも強さも含んだその人のパーソナリティーが伝わる音楽、語れる音楽が好きなんだ」ということを再確認した。HEAT WAVEの新作「LAND OF MUSIC」は奥底からぐっときます。
 だいぶ酔いの回ったオレに「体気をつけろよ」の一言を残して、山口は先に帰って行った。優しい感じのする言葉だった。ありがと。また。
★左酒井くん、右山口洋。

2007年3月21日水曜日

入間SO-SOオープン!

埼玉県 入間市  MUSIC CAFE SO-SO?  04-2966-1036
「 MUSIC FROM SO-SO? vol .1」?【出演】リクオ
  1年少し前まで川越で、鶴川座創奏というライブ.スポットをやっていた酒井君とさっちゃんが、お店を閉めて、入間市にある元米軍ハウス街に引っ越してから ちょうど1年。MUSIC CAFE SO-SOがついに開店にこぎつけた。2人はSO-SOのオープニングイベントとして、オレのライブを企画してくれた。そりゃ気合いも入ります。初披露の 曲も数曲用意してライブにのぞむ。

 実は、SO-SOにはオープン前から既に、いろんなミュージシャンが集まって来ている。自分も去年、「セツナウタ」のジャケット撮影をSO-SOとその界隈でやらせてもらった。そのときにカメラマンの和田ちゃんが撮影した写真が数十枚、この日会場内で展示された。
  寺岡呼人くんもソロアルバムのジャケット撮影をSO-SOで行った。4月の440のクレフィンライブで「たけお」としてゲスト出演してくれる東京 60WATTSのタケシ&タクオの2人は、レコーディングのための曲作り合宿をSO-SOで行った。つい最近まで、アナム&マキがSO-SOに機材を持ち 込んで一月間滞在し、アルバムのレコーディングを行っていた。
 SO-SOの真向いには去年、レコーディング用のスタジオとカフェがオープンし た。そこで三宅伸治さんがソロアルバムのレコーディングを行った。オレも去年の年末に、そのスタジオで、ハウス街の住人であるヒップホップアーティストの 田中雄一郎君のレコーディングを手伝わせてもらった。
 元米軍ハウスを改装した住宅が連なるこの界隈には、自由業者が多く集まり、ゆるやかな横の繋がりによる小さなコミュニティーができあがりつつあるようだ。
 SO-SOの隣のハウスも酒井君ら数人の仲間がシェアしているのだが、そこは偶然にも、今は亡き大先輩のシンガーソングライター、西岡恭蔵さんが生前に住んでいたハウスである。恭蔵さんとは、自分が学生時代の頃に知り合い、とてもよくしていただいた。
 この日のライブの休憩明けに、飛び入りでギターの弾き語りを聴かせてくれた小池コータロー君は、中学生の頃に家出をして、その恭蔵さん宅を尋ね、しばらく居候させてもらっていた経験を持つ。
 コータロー君が2曲歌った後、恭蔵さんの代表曲の一つ「プカプカ」を一緒にセッション。その後は、恭蔵さんの奥さんのクロさんが作詞して、恭蔵さんが作曲したナンバー「アフリカの月」を一人で弾き語った。今後、レパートリーに加えさせてもらおうと思う。
  数曲はさんだ後、来週の大阪フェスティバルホールで演奏予定の中島みゆきの曲も演奏してみた。この歌の出だしのメロディーは「プカプカ」にそっくり。おそ らく中島みゆきさんは恭蔵さんの影響を自覚してそのメロディーを引用したのではいかと勝手に想像している。不思議なくらい色々と繋がってゆくなあ。
 SO-SOはなんだが懐かしい場所でもある。このステージに自分がたっていることは、必然のようにも思えた。
 さまざまな想い、繋がりを受け取り、共有し、共鳴し合いながらのステージ。自然な流れ、うねり。
 アンコールでは、1月に入籍したSO-SOの酒井君&さっちゃんに新曲をプレゼントした。
 SO-SOはいいスタートが切れたんじゃないだろうか。これからもどうせまた、いろんなことがふりかかるのだろうけれど、何度でも「ハッピースタート」を繰り返してほしい。
 おめでとう。
★SO-SO外観。わかる人はわかるミュージックフロムビックピンク調。
★リハーサル中。和田ちゃん撮影。

03/21 (水)

 本日は新しいカヴァー曲にトライ。うまくいけば、土曜の入間SO-SOオープン記念ライブで披露する予定。自分がデビュー前からお世話になった先輩シンガーソングライターのナンバー。SO-SOとも不思議な縁のある人なのだ。

 夜中、久し振りに寺さん(寺岡信芳)に電話する。来月の26日に渋谷BYGで行うライブにベースで参加してもらいたい旨伝える。
 あっさりOK。朝ちゃんのパーカッションと寺さんのベースをサポートにトリオ編成でのライブが決定。いゃ~、楽しみ。

  東京での現在のホームグランドであるBYGは、1、2階がカフェ&バーで、地下がライブハウスというつくり。ライブハウスのほうは、基本的にレギュラーメ ンバーのみの出演で、週1、2本しかライブがブッキングされないから、スケジュールが埋まるということがない。こんなふうに一月前でもやりたいと思えば、 ライブがブッキングできるところが、自由な感じでよいなあと思う。
 スケジュールが埋まらないと不安にもなるけれど、あまりに先までスケジュールが決まり過ぎると、既に未来を決められてしまっている感じがして、面白くない。先のことは、わからないから面白いし、ときめく。

 5年くらい前までソロ活動と平行して、寺さん、坂田学くん(Dr.)とThe HERZというトリオ.バンドをやっていた。最近のオレしか知らない人がヘルツの音源を聴いたら、ちょっと驚くかもしれない。
 ヘルツではピアノ以外にシンセやオルガンも弾いていた。エフェクトを駆使してテルミンもよく使ったなあ。リミックスのアナログ盤も何枚か出していて、「ムーンライトサンバ」はクラブでDJがよく回してくれていた。オレもいろんなことやってんな。
  色々やってみて、基本的な自分の立ち位置の中心は、アコースティック.サウンドを得意とするシンガーソングライターだと感じるようになった。ある程度、自 分の音楽性の立ち位置を確認することよって、自分が今までやってきたさまざまな音楽が、前よりも自然につながるようになってきた気がする。吸収したものを 消化するやり方も前よりわかってきたかも。立ち位置がしっかりしていた方が、かえっていろんなことにもチャレンジしやすいのかもしれない。
 今回、寺さんにベースを頼もうと思ったのは、自然な流れのような気がする。これ1回で終わるのか、次につながるのかはまだわからないけれど、そう力むこともなく、まずは久し振りの再会を楽しみたいと思う。
 
 午前3時頃から走る。寒さもやわらいだ。川沿いの桜が二輪ほど咲いていた。

2007年3月20日火曜日

03/20 (火)

 正午に目を覚まして、昼食前に近くの川沿いをランニング。
 木蓮の花が咲き始めた。
 部屋に戻って、すぐ風呂。60度に設定したシャワーを小出しにして、湿度と温度を上げサウナ状態をつくり汗を流す。
 日中は夜の打ち合わせのための資料制作に時間を費やす。
 午後7時からスタジオ入りして2時間個人練習。
 その後下北で食事しながら某イベントに向けた打ち合わせ。
 最近、イベントのブッキングを頼まれる機会が多い。今2つのイベントにブッキング担当で関わっているところ。「橋渡し」というのが、自分に与ええれた役割の一つなんだろうと思う。
 帰宅後、31日の大阪フェスティバルホールでのイベントで演奏する2曲をピアノアレンジした演奏の音資料をつくり、譜面を書いて、それらをまとめて、ゆうパックで郵送。

2007年3月19日月曜日

03/19 (月)

 知り合いにすすめられて、目黒にある東京都庭園美術館で行われているアルフレッド.ウォリス展を観に行く。
 イギリス、コーンウェルの港町で漁師をしていたアルフレッドさんは、70歳を過ぎてから独学で本格的に絵を描き始めた異色の画家。描かれたのは、船や港や灯台や船からながめたと思われる家々など、それまでの人生の中で記憶に刻まれた情景。
 デッサンは稚拙なのだけれど、自由さと、生命力に満ちた表現だった。
 庭園美術館は元々旧朝香邸だったそうで、アールデコ調の趣のある建物だった。
  美術館を出た後は、荻窪駅のすぐ近くにある「湯~とぴあ」というスパへ。一度行きたいと思っていたのだ。ゆっくりとお湯につかり、サウナでたっぷりと汗を 流し、岩盤浴も体験。そのあと館内にある居酒屋へ。う~ん、ビールが美味過ぎ。そう言えば、先週も高井戸にある温泉スパに行ったばっかりやなあ。

2007年3月16日金曜日

03/16 (金)

午後2時過ぎから中目黒で、mf246の動画配信用の映像収録。「今まで撮影収録したミュージシャンの中で、一番しゃべりがうまかった」と言われる。
 そのあと池尻大橋にあるスタジオで行われているソウルフラワーユニオンの6月発売予定のマキシ.シングルのトラックダウン現場に顔を出す。いい感じ。
 池尻を出て三茶の寿司屋でBYGの安本さんと会食。その後、下北でLGOの氏家さんと待ち合わせして飲む。「セツナグルーヴ2007」の総括と今後についてなど話しする。
 部屋に戻ったのが午後4時頃。よく飲み、よく語りました。 

2007年3月15日木曜日

03/15 (木)

 ハシケンとソウルフラワーユニオンの河村博司君によるセッション.バンドのライブを下北440に観に行く。ドラムはサケロックの伊藤君。キーボードはコルツの多田君。彼は河村君の中学時代の同級生なんだそう。
 ハシケンがベース弾いてる姿を初めて観る。音は太く、柔らかく、乗りは大きく、うねりがあって、まじでよかった。ベースを弾くハシケンは背筋が伸びていて、いつも以上に「でかっ!」って思った。
  河村君はギター弾きまくり、歌いまくり。ザ.バンドのラスト.ライブ「ラストワルツ」で気合い入りまくってるときのロビー.ロバートソンみたい。普段はフ ロンントマンでもヴォーカルでもないのに、ハシケンの隣で堂々と歌う神経のずぶとさに、皮肉ではなく感心。そうでなきゃ、あのバンドを長く続けることはで きひんわな。
「ええバンドやなあ」と思えるくらい、一体感のある熱い演奏。楽しかった。
 客席には知った顔が色々。ツンタとは久し振りに 会う。ライブ後に一緒に近くの蕎麦屋へ行って飲む。ツンタとも出会って10年くらい経つ。本日の2人の会話の主なテーマは諸行無常。ツンタはどうも、鬼 ごっこの鬼のような気分らしい。振り返れば、友達は皆家に帰ってしまっていて、ツンタは独り取り残されてしまっているのだ。オレは、ずっと前からそんな気 分やで。
 そんな話をしながらも、別にしみじみするわけでもなく、お互いのバカさ加減を笑える感じが、相変わらずでよい。ツンタは「オレ、虚しいっす」とか言う割には明るい。オレに会えて嬉しかったんちゃう。「明るい絶望」を唱えていたのは、鈴木いずみだったかな。
 その後、打ち上げに合流。
 今週は下北週間。

2007年3月14日水曜日

03/14 (水)

月末に大阪フェスティバルホールで行われる「生きて泳げ 涙は後ろへ流せ」というイベントに参加する。詩人・三代目魚武濱田成夫氏がプロデューサーとなっ て、出演ミユージシャンが中島みゆきの曲をカヴァーするという内容。三代目とは10年以上前に知り合った。彼は歌も歌っていて、過去にはアルバムも出して いて、オレの曲を2曲取り上げて歌ってくれているのだ。
 先日、候補曲6曲を収録したCDRが送られてきて、さっそく聴いてみたら、自分が歌えたらいいなと思っていた3曲が入っていて、嬉しくなった。さすが三代目、さすが岩尾さん、わかってんなあ。その6曲の中から、自分の歌う2曲が決定、練習を始める。
  自分が中島みゆきの曲をよく聴いていたのは中学生の頃。姉が好きだった影響もある。まだ中島みゆきがデビューして間もない頃で、デビューから4枚目くらい の作品まではよく聴いていた。この企画に参加するにあたってあらためて初期の作品を聴き直した。中学生の時好きだった曲の多くは、今聴いてもいいと思え た。自分は中島みゆきの「さすらいの詩」が好きだったんだなあと気付く。
 今月は時間あるから他のカヴァー曲にもトライしてみよ。
 
 週刊ゴングがついに休刊。プロレス雑誌の老舗。寂しいねえ。

2007年3月12日月曜日

03/12 (月)

 春を前に、冬をだだをこねているらしい。寒の戻りが厳しいなあ。
 下北でチェロの歩ちゃん、エンジニアの藤井さん、画家の沢田トシキさん、ヴァイオリンの阿部美緒等と飲む。昨日の打ち上げの続きといった趣。
 最初に大連という中華料理屋で腹ごしらえ。ここの水餃子が抜群に美味かった。また来よう。
  2件目は馴染みの飲み屋ラカーニャに行って、本格的に飲む。お店に入ると、シンガーソングライターで小説家、翻訳家でもある中川五郎さんが、カウンターで 一人で飲んでいたので、合流してもらう。五郎さんとは、ときどき飲む。昨日のDUOのライブを観に来てくれていて、歩ちゃんがステージでビール飲みながら 演奏する姿にかなり心動かされたらしい。五郎さんは、酔うと「僕寂しいんだよね」が口癖。女性とワインを愛する軟派な不良中年。
 途中から、パーカッションの朝ちゃんとシンガーソングライターの龍之介もやってくる。龍之介は初対面。
 加川良さん一行もお店に入ってきたので、挨拶。
 あたらしいボトルを入れたのだけれど、すぐに空いてもう一本。いやいやみんなよう飲むわ。
 酔った龍之介が店のピアノで歌ってほしいとうるさいので、1曲弾き語る。
  酔いつぶれていた阿部美緒が午後2時過ぎてから目を覚まして大復活。さらにもう一軒行こうというので五郎さん等と一緒に付き合う。カウンターで飲んでた男 性がアコーディオン奏者で楽器を持って来ているというので、阿部美緒のヴァイオリンとのセッションが始まる。午後7時過ぎから飲み始めて、もう午前4時過 ぎてるで。
 さすがにオレも限界がきて、空が白み出す前に帰ったのだけれど、阿部美緒らは朝まで飲んだそう。五郎さんも朝まで付き合って、しかもお店で弾き語ったそう。50代後半、まだまだ元気やなあ。
★龍之介酔いつぶれる。
★夜更けのセッション。

2007年3月11日日曜日

03/11 (日)

「セツナグルーブ」発売記念リクオス.ペシャルライブ 
~セツナグルーヴ2007~
【場所】Shibuya duo MUSIC EXCHANGE
【サポートメンバー】朝倉真司(パーカッション)、橋本歩(チェロ)、阿部美緒(ヴァイオリン)、岡村美央(ヴァイオリン)、萩原 薫(ヴィオラ)
 
 duoのステージに立つのは初めて。客としては何度も来ていて、最近ではハシケンのライブを観に行って、ライブ中に会場内で泥酔してしまった。
  午後1時に会場入りして、まず感じたのが、「duoってこんな広かったんや」ということ。ステージ上では、タカギクラヴィアからレンタルして搬入しても らったニューヨーク.スタインウェイのグランド.ピアノの調律が行われている最中だった。調律師はいつもお世話になっている小川さん。彼女に任せとけば安 心というくらいにオレは信頼しているのだ。
 調律が終わってすぐにピアノを弾いてみたら、やはりすごく弾きやすい。鳴りも抜群。一昨日に弾いた時より、明らかにコンディションが良くなっている。弾いていてあんまりにも気持ちよいので、ピアノに「ナターシャ」という名前を付けてやった。
 今回のPA&照明スタッフは、モーキー、えりちゃん始め「セツナグルーヴ」の収録会場である月見ル君想フのスタッフに頼んだ。皆モチベーションが高くて、素晴らしい。
 リハーサルはいつもより入念に行い、音作りはバッチリ。
 いつもよりかなり早い午後5時半から、ライブがスタート。まず、客席が埋まってくれたのが嬉しかったし、ほっとした。
 本番はリハーサルよりもさらに音がよかった。楽器も声も実に伸びやかに心地よく響いてくれた。う~ん、気持ちいい。なんか調子いいぞオレ。
  いい呼吸。よく聴こえる、よく見える、よく感じられる。研ぎすまされた五感が喜んでる。インスピレーションが湧く。楽な気分。いろんなものが繋がってゆく イメージ。オレが気持ちいいから皆も気持ちいい。皆が気持ちいいからオレも気持ちいい。お客さん、スタッフ、演奏者のテンションがとてもいい形で反応し 合ってくれた。他力、共鳴、共有、化学反応。それらを実感できた。聖なる思いも、俗なる欲望も、歓びも、哀しみも、切なさも、虚しさも、すべてがメロ ディーとリズムに昇華される瞬間。開放感!!
 アンコールでは久し振りにアコーディオンを弾いて歌った。デビュー当時は、よくこのスタイルで歌っ ていた。この時はパーカッションの朝ちゃんがギターを、チェロの歩ちゃんがピアノを弾いてくれた。本業ではない慣れないことをやらせておいてなんだが、演 奏前、ピアノの前で緊張して固まっている歩ちゃんが、おかしくて、ちとかわいらしくもあった。たまには、またアコーディオン弾いて歌おうかな。
「セツナグルーヴ2007」大阪、東京公演、御陰さまで、ええ感じで終了しました。次につながったかなと。
 皆さん、ありがと。

2007年3月9日金曜日

03/09 (金)

 日中は、渋谷へ。いつもお世話になっているピアノ会社、タカギクラヴィアさんのサロンルームにお邪魔して、日曜のDUOで行うワンマン.ライブでレンタルするピアノを2時間程試奏させてもらう。
 今回のライブは、どうしてもピアノの音にこだわりたくて、ちょっと無理をして、タカギクラヴィアが保管するニューヨーク.スタインウェイを使わせてもらうことにした。
  う~ん、いい音。サロンルームには、もう1台ハンブルグ.スタインウェイのグランド.ピアノが置かれていて、それも弾かせてもらったのだけれど、これがま た今まで弾いたことも聴いたこともないような、低音のタッチと響ききをしていて、感激。後でタカギクラヴィアのマネージャーの加納さんにそのピアノのこと を聞いてみたら、閉鎖したコロンビア.スタジオから買い取ったピアノだとのこと。かって、美空ひばりのレコーディングでよく使用されていたので、「ひば り」と名付けられているそう。
 このピアノは、コロンビア.スタジオにあったころから、音が良いことで有名で、自分もスタジオが閉鎖する前に人の レコーディングで使用したことがあった。その時も音の良さに感銘を受けた記憶があるのだけれど、タカギクラヴィアにやって来て、丁寧に調整されて、ますま す素晴らしいピアノに生まれ変わっていた。う~ん、このピアノでもライブとレコーディングやりたいなあ。

 タカギクラヴィアを出た後はサンタラのライブを観に下北沢CLUB QUEへ。時間があったので、ライブを観る前に下北でまたハット帽を買う。自分の中で帽子ブームが10年振りに到来した感じ。
 久し振りに観たサンタラのライブは、開放感が増していて、良かった。会場の盛り上がりの上々。新曲もよかったなあ。サポートの朝ちゃんのパーカッションとドラムも安心して聴けた。ミトモ君のベースを聴いたのは初めて。間のとり方がうまい。
 サンタラの2人には、この調子でさらに弾けてほしいなあ。

2007年3月8日木曜日

舞浜 Club IKSPIARI

舞浜 Club IKSPIARI
出演:DOIS MAPAS
木下ときわ(vo)新美博允(g)小島麻貴二(b)渡辺亮(perc)
ゲスト: リクオ(vo,p)
  一月程前に、DOIS MAPASのヴォーカリストの木下ときわさんからメールをいただいて、この日のライブのゲスト出演の依頼を受けた。面識もなく、音も聴いたことがないし、 発売記念のライブが同じ週にあるから、最初はどうしょうかと戸惑ったのだけれど、すぐに自宅に音源が送られてきて、聴かせてもらったら、とても素敵な音楽 だったので、共演させてもらうことにした。
 オレはディズニーランドにもディズニーシーにも行ったことがなかったので、舞浜に来たのは初めて。大体舞浜がどこにあるのかも知らんかった。世間知らずやったみたい。東京駅から15分程。意外に近いんやね。
 ライブ会場のClub IKSPIARIは、ブルーノートやスィートベイジルを思わせる洒落た空間。大人のライブ.スポットって感じ。
  ピアノの音も会場の鳴りも良かった。楽屋が2部屋あって、広くてくつろげるのもよい。まかないが美味しくて、出演者のドリンクがただっつうのもよい。ス タッフの皆さんの感じもよくて、とても積極的にコミュニケーションしてくれて、熱意を感じた。スタッフの顔が見えるのが、ライブハウスの条件の一つだと思 う。
 ステージは2部構成。自分の出番は2ステージ目からなので、1ステージ目は、客席後方でワインを飲みながら観させてもらう。
 DOIS MAPASとはポルトガル語で「二つの地図」という意味なのだそう。一つの地図は日本を指し、もう一つの地図はブラジルを指す。ブラジル音楽のエッセンス をふんだんに取り入れたサウンドは近年、巷でよく聴くけれど、彼らの音楽はそれらの多くとは一線を画する気がした。スタイリッシュの枠からはみ出ている感 じ。
 まず、ときわさんの歌が素晴らしい。決してシャウトすることなく、常に涼しげな歌唱で、都会的なのだけれど、土や草のニオイもする。洗練さ れていて、土着的。希有なヴォーカリストだと感じた。美輪明宏の「ヨイトマケの歌」をあんな風に、さらりと、それでいて情感豊かに歌う人は初めて観た。  新美さんの書くオリジナルの歌詞は、硬派なメッセージが押し付けがましくなく盛り込まれているところが新鮮。
 ときわさんはオレのオリジナルの 「ソウル」や「ケサラ」を、レパートリーにして歌ってくれているそうで、この日はその2曲をセッションさせてもらう。「ケサラ」はボレロ風のアレンジで、 「ソウル」はオレのピアノで、ときわさんが歌ってくれた。DOIS MAPASのオリジナル「旅する人」でもピアノで参加させてもらう。繊細なアコースティック.サウンドのなかで、いつもとは違う緊張感と開放感を味わう。 とてもインスピレーションが湧いて、いいセッションになったと思う。
 新しい出会いの1日。

2007年3月3日土曜日

大阪 梅田バナナホール

大阪 梅田バナナホール
「セツナグルーブ」発売記念リクオ・スペシャルライブ 
~セツナグルーヴ2007~
【サポートメンバー】朝倉真司(パーカッション)、橋本歩(チェロ)、阿部美緒(ヴァイオリン)、岡村美央(ヴァイオリン)、萩原 薫(ヴィオラ)
  久し振りのバナナホール.ライブ。この会場との付き合いは学生の頃からだから、20年をこえる。バナナホールは現在、賃借契約をめぐって土地所有側と裁判 で係争中で、存続の危機にある。そういう状況もあって、今回の大阪での発売記念ライブは、まずバナナホールで行うことにこだわった。こういうローカル色と 歴史のあるライブ.スポットは、なくなるべきじゃない。
 バナナホールのピアノは、4年前のライブのときにニーナと命名した。ニーナ.シモンが亡 くなったことを知ったのが、バナナホールでのライブの当日だったのだ。昔から馴染みのピアノなのだが、久し振りに再会して、リハーサルで弾いてみたら、 タッチも音もかなり固くなっていた。バナナホールは去年の一時期営業を停止していて、営業再開以降もブッキングは以前程埋まっていなかったから、弾かれる 機会がめっきり減ってしまったことが、原因なんだろう。リハーサルでなんとか弾きほぐすようにする。
 ライブは大盛況だった。ステージに登場して、客席の期待をいつも以上に感じた。それを柔らかく受け止めて、演奏するようなイメージを心掛けた。
  ストリングス.カルテットが参加するのは、大阪では初。彼女達との共演は本当に心地よい。女性4人に囲まれて演奏するというのは、やはり野郎4人よりもモ チベーションが上がる。パーカスの朝ちゃんは、オレをサポートしつつ、行く時は行ってくれる。自分の理解者だと勝手に思っていて、時には、甘えさせても らっている。ニーナはやはり普段より少し固かったけれど、よく鳴ってくれた。また弾きに戻って来ないと。
 いいライブになった。ライブを観て、「節目が来ているのではないか」と言ってくれる人もいた。どうなんだろう。
 とにかく大阪ライブ、ほんまええ感じでやらせてもらって感謝。
 この夜は、当然打ち上げも盛り上がった。ギタリストの小倉博和さん、坂田学っち、バカボン鈴木さん他ツアーで大阪に来ている多くのミュージシャンとも合流。朝方まで飲む。
 さあ、次は11日の東京やね。渋谷DUOにぜひ。
★リハーサル前に1枚。