2007年7月24日火曜日

芸は身を救うー夏のアコパル.ツアー終了

東京 吉祥寺Star Pine's cafe
ソウル.フラワー.アコースティック.パルチザン
中川敬(vo,g,三線)/リクオ(key,vo)/奥野真哉(key)

 ツアー最終日。疲れがどっと出て、体がだるく熱っぽい。
 リクライニングのないハイエースに乗っての移動はちときつかった。でも車内で皆で音楽聴いたりする時間は楽しかったなあ。まあ、自分は大概車内で寝てばっかりやったけど。
  移動中にでオレが流していたジェリー.リー.ルイスの去年出た新譜とライ.クーダーの70年代の音源を中川君がかなり気に入っていた様子だったので、昨夜 部屋に戻ってからCDRに焼いて今日のリハの前に中川君に手渡す。CDRの容量が余っていたので、日本の若いミュージシャンの音源も同じCDRに入れてお く。
 開演直前には、体もしゃんとしてきてスイッチが入る。客席前方にとても乗りのよい女の子がいて、その子の歓声が自分の気持ちを多いに奮い立たせてくれた。歓声と拍手って、ほんと勇気づけられる。
  今回のツアーでオレが歌うナンバーは、お客さんがコーラスと手拍子で参加する曲が多かった。そういった曲で嬉々としてお客さんにコーラスを促している中川 君を見ていると、やはり年を重ねて彼もかなり変わってきたんやなあと思う。みんなぼちぼちやし、かっこつけてもしゃーないやん!って感じ。
 オレ も中川君も奥野君もミュージシャンでありつつ、常に芸人であることを目指しているんだと思う。芸術家は目には見えない何かと繋がろうと手探りを繰り返すけ れど、芸人は目の前のお客を巻き込んでなんぼである。目に見えない何かと同時に、目の前のお客さんとも繋がろうとするのがミュージシャンの性である。少な くともオレはそう。
 寅さんみたいな哀愁のある芸人がいいなあ。「笑いに」の中に「せつなさ」があるのがいい。そして「せつなさ」の中に「笑い」があれば救われる。
 アコパルのツアーは、ステージもオフステージも含めて「芸人修行の旅」という気がする。「芸は身を救う」に違いない。
 ライブ前より、ライブ後の方がずっと元気になった。
 夏のアコパル.ツアー終了。
 旅は続く。

2007年7月22日日曜日

仙台 Back Page

仙台 Back Page
ソウル.フラワー.アコースティック.パルチザン
中川敬(vo,g,三線)/リクオ(key,vo)/奥野真哉(key)
 アコパルツアーの地方最終日。最初からいい盛り上がり。前半の4曲はめずらしくMCなしで演奏に集中。
 選曲と曲順がさして変わらずとも、所変われば、ライブの雰囲気も演奏内容も多いに変わる。昨日のライブで正解だったことが今日も正解だとは限らない。答えは色々。毎回違うから面白い。
  その場のさまざま作用を受け入れ、流されながら味わい、楽しむ。そういった柔軟さ、適当さが、小編成のアコースティック.ライブの醍醐味の一つ。この日の 中川君はいつもより力が抜けて、何かに身を委ねている感じ。とてもいい集中力を保っていた。奥野君のプレイは回を重ねる毎にどんどん自由になってゆく。 「お、今日はそうきたか」と、にやりとしてしまう。

 ライブは他力。
 ライブは成り行き。
 ライブは、生き物。
 ライブは流れ。
 ライブは瞬間のインスピレーション。
 ライブは共鳴作業。
 ライブは共有。
 ライブは循環作業。
 ライブは化学反応。
 ライブは遊び。
 ライブは他者との出会い。
 ライブはライフ。
 音楽はライブ。

 この日の打ち上げ会場は、自分が仙台でいつもソロライブをやらせてもらっているサテンドール。オーナーの岡崎さんの奥さんと息子の直人くん、しんぺいさん、ともちゃんらが厨房に入って、おいしい手料理をふるまってくれる。
  渋谷BYGで育ったピアノマン、山本隆太君がたまたまツアーで仙台に来ていて、ライブに顔を出してくれて、打ち上げにも合流。隆太君が遅れて打ち上げに やって来るなり、サテンドールオーナーの岡崎さんが彼にピアノを弾くよう促す。隆太君ためらわずにステージへ向い、ニューオーリンズ.ピアノのスタンダー ドとも言える「ティピティナ」を弾き語りし始める。オレは買ったばかりだというアコーディオンを岡崎さんから手渡されて、打ち上げのソファー席から演奏に 参加。ほどなくして隆太君がオレをステージに呼び込んで2人のピアノ連弾に。今度はオレが奥野君をステージに呼び込んで、3人の連弾によるブギウギ大会。
  2次会は地元の知り合いテリーの馴染みのバーへ行き、CDのリクエスト大会。主に初期ロックンロールと70年代ソウルが中心。リトル.リチャードの声の破 壊力、ジョー.ターナーのスィング感、ディアンジェロのいやらしさ、いや~たまりまへん。締めはダニーハサウェイのライブ。「You Got Freind」のイントロが始まった瞬間のあの歓声。盛り上がるわ~。
 アコパル.ツアー満喫!!

2007年7月21日土曜日

道草してます

盛岡 Club Change WAVE
ソウル.フラワー.アコースティック.パルチザン
中川敬(vo,g,三線)/リクオ(key,vo)/奥野真哉(key)
 この日も生憎の雨。まったくもって天気には恵まれないツアー。
 会場入りする前にオレがいつもライブをやらせてもらっている紅茶の店しゅんに中川君、松ちゃん、かおりちゃんを連れて行って、しゅん自慢のカレーを食べてもらう。食後はもちろん紅茶とシフォンケーキ。
 しゅんの看板娘亜弓ちゃんには盛岡での打ち上げの手配をお願いする。

 ツアーの疲れが一気に出て体がだるい。
 そのせいか、まったり、ゆったりした乗りのライブ。

 今回のツアーの入場SEは寅さんヴァージョンの「遠い世界へ」。このヴァージョンは寅さんの以下のような語りで始まる。

 ああ、どっか行きたい。
 でも、どこへ行ってもすぐに飽きちゃうんだよなあ。

これを寅さん口調で言われるとたまりません。でも、今のところ、このSEに反応してお客さんが受けてくれたのはツアー初日の近江八幡だけ。あとはどの会場の客さんも無反応で、メンバーだけが舞台袖でクスクスしている状態。やっぱ関西でしか受けへんのかなあ。

 ツアーが続くうちに、ツアー中に演奏している歌の世界に自分達が次第に近付いているような感じがしてくる。中川君が書いた股旅ソングで、今回のツアーのライブの後半で必ず演奏される「道草節」という曲などまさにそんか感じ。以下がサビの歌詞。

 メルシー!キスの雨 まぜこぜを楽しもう
 メルシー!夢の跡 悲しみと踊ろう
 べっぴんさんの笑顔があって 我等は生きる
 そうさ 風を切って道草は続く

あと「歌ってーるのか 呑んでるのか 崖っぷちの宴 いつも ハレとケのはざまで踊る」つう歌詞も好き。「これ、オレの歌やん」って感じ。自分はいずれこの曲をカヴァーさせてもらおうと思っている。

  この日のライブ会場Club Change WAVEはロック系ライブハウス。ライブの後、お店の若いスタッフ達が率先して打ち上げに参加してくれたのは嬉しかったなあ。ロック系のライブハウスはそ の個性のない造りだけでなく、基本的にハコ貸しのような対応とシステムになりがちで、アーティスト側とのコミュニケーションが密に取れないことが多いの が、Club Change WAVEはどうやら別のようだ。
 打ち上げの席でClub Change WAVEのスタッフの若者が三宅伸治さんをライブで呼びたいと言うので、すぐにオレの携帯で三宅さんに連絡を入れその旨伝え、スタッフの若者に代わって話してもらう。
 打ち上げでは地元の知り合い以外に、たまたま同じ日に盛岡でライブをやっていたボサノバ歌手の中村善郎さんとも合流。

2007年7月20日金曜日

秘湯で混浴

郡山~盛岡
 この日は移動日ということで、先日ライブをやらせてもらったラストワルツのマスターの和泉さんとスタッフのまりちゃんが温泉に連れて行ってくれる。このあたりは温泉の宝庫。
 道中蕎麦屋へ寄って腹ごしらえ。うまかったなあ。猪苗代湖、磐梯山の景色を通り過ぎて、車はどんどん山中へ。たどりついた場所は標高1300メートル、手つかずの自然に囲まれた幕川温泉という秘湯。
 露天風呂が2カ所あって、どちらも混浴。まりちゃんとかおりちゃんはどうするのかなと思っていたら、2人とも入浴参加。感動。楽しく混浴。いいお湯でした。
 夜の10時過ぎて盛岡着。ホテルにチェックインした後、中川君に誘われて飲みに街に繰り出す。軽く切り上げようと思っても、飲んでしまうのがパターン。最後の方はよく覚えてないけれど、お互いえらい褒め合ってたなあ。

2007年7月19日木曜日

祝20周年

郡山ラストワルツ
 ラストワルツはソロのツアーで3ヶ月前にも来たばかり。年に2度郡山に来るのは多分初めて。

 この日もステージでそこそこ飲みながら、よく喋り、よく歌い、よく演奏する。客席が結構明るかったので、ほとんどのお客さんの顔がはっきりと見えた。いい笑顔。こういう空間でのライブの場合、個人的にはお客さんの表情がわかるくらいに客席が明るい方がやりやすい。
  アコパルのステージの立ち位置はオレが下手、中川君が中央、奥野君が上手という並び。オレと奥野君は中川君をはさんで向かい合う形だからお互いの様子がよ く見える。オレのMCで奥野君が爆笑したりしていると嬉しくなる。客席だけでなくステージの2人にも受けたいから、場所が変わっても喋りのネタはなるべく かぶらないよう心掛けている。
 打ち上げでは、ラストワルツの看板娘まりちゃんのトークが暴走、奥野君とのからみも楽しく、爆笑の連続。それぞれ が身を削りながら、これでもかと笑いをとりにくる。悲劇も時間が経てば喜劇になりネタになる。まりちゃん、料理も喋りも腕上げてるなあ。マスターの和泉さ んの打ち上げでのDJ選曲も相変わらず素晴らしい。
 オレ達がバカ話で盛り上がり続けている横で、中川君は沖縄出身のおじさんにつかまって、かたい話を聞かされ続ける。まあ、これも地方巡業の洗礼つうことで。
 ラストワルツは今年で20周年だそう。中川敬&奥野真哉の付き合いも20年をこえたそう。というわけで今夜も乾杯!

2007年7月18日水曜日

こんなときこそライブ!

新潟JUNK BOX
 ツアー中はじめての晴れ。
 地震の影響で高速道路が一部通行止めのため、富山を早朝の7時半に出発。さすがに眠いっす。
 富山から被災地の柏崎を抜けて、新潟市内へ。通行止めのために被害の大きな地区の様子を見ることはなかったけれど、それでも柏崎近辺の路上は地震による陥没が多く見られ、その上を走るとかなりの衝撃。

 この日のライブ会場はいわゆるロックバンド系のライブハウス。こういうハコって造りがどこも似ていて個性に欠ける。それに密閉感があって、あんまりゆったりできない。大人にはいずらい空間。自分も年を取ったと言うことか?
 落書きだらけの楽屋は落ち着きはしないけれど、ちょっと懐かしい感じ。楽屋の落書きを見て中川君が「壁に『リクオ参上』って、書いとこか」と言ってにやり。20年前やったら喜んで書いてたな。

  ツアー3日目。曲にも慣れてきて、この日は緩急のきいたプレイができた。震災直後のライブ、お客さんはどんな気持ちだったんだろう。被災地にボランティア で参加している若者が柏崎から大渋滞の国道を抜けて観に来てくれて、ライブの後、中川君に被災地の状況を報告していた。
 新潟市内は今回の地震で直接の被害はなかったようだけれど、観光客が減ったり、人が飲み歩かなくなったり、2次的な影響はこれから深刻になるかもしれないとのこと。数年前の地震でも市内は経済的な大打撃をうけている。
 この日の打ち上げ場所は、新潟の自分のソロライブでいつもお世話になっているジョイアミーアのオーナーママ祐子ちゃんに頼んで予約してもらう。
  ジョイアミーアは地震当日の2日前も東京からのツアーミュージシャンのライブをブッキンングしていたそうだが、アーティスト側の意向でライブがキャンセル になってしまったそう。祐子ちゃんはそのことを悔やんでいる様子だった。事情をすべて知っているわけではないけれど、地震当日の東京から新潟市内までの交 通は機能していたわけだから、アーティストはこんな状況だからこそ キャンセルせずにライブをやるべきではなかったかと思う。
 2次会は行きつけ のバーへ。店のドアを開けると、カウンターの外の客席でマスターが相当に酔って出来上がった状態。お客さんは1人も来ないし(多分地震の影響があるのだろ う)、嫁さんは逃げて行くし、飲んで笑うしかないという状況だったみたい。1年会わないと、結構皆人生色々である。何にせよ再会できてよかった。つうこと で乾杯!嫁さんが逃げたこともネタにして皆で笑う。
 飲む。酔う。アホになる。生きてるだけでまるもうけ。
 というわけで、ツアーはまだ中盤ですが、この続きは多分明日か明後日更新されるでしょう。
 ほな。

2007年7月17日火曜日

海水浴で誘う

富山 アナザホリデー
「リクオ.ソロ.ライブ」ゲスト:中川敬(vo,g,三線)/奥野真哉(key)
 本日も小雨模様。長い間晴れ間を見ていないなあ。
 金沢から富山に出発する前に、皆で金沢の台所、近江市場に出かけ、市場内のお店で海鮮丼を食う。皆の顔がほころぶ。
  その後は昨日のライブ会場であるもっきりやに寄って、しばしのコーヒータイム。もっきりやは日中は喫茶店なのだ。オレはもっきりやのカウンター席に座っ て、ゆったりとした時間の流れの中で、心地よい音楽に耳を傾け、コーヒーを飲みながら、マスターの平賀さんと話しする時間がとても好きなのだ。
  で、こういうときに奥野君は何も言わずにふらりとどこかへ消えてしまうのだ。とにかく奥野君はふと気付くとその場にいないというパターンが多い。20年来 の付き合いの中川君によるとこれは奥野君の昔からの癖で、中川君はなるべくその行動を追求したり深く詮索しないようにしているそう。関係が長く続く秘訣や ね。
 もっきりやでしばしまったりした後に、皆で富山市岩瀬浜に向けて出発。
 この日の富山ライブはアコパルツアーの移動日にブッキング した自分のソロライブなのだが、事前から「17日は岩瀬浜で皆で泳ごう」などと言って、皆を富山に連れて行くというか、富山まで乗っけてもらう段取りをつ けていたのだ。で、海水浴の後は当然自分のライブに中川君と奥野君にゲスト出演してもらうつもりでいた。
 中川君は海水浴が大好きなんだそうで、 泳ぐ気満々で、もちろん海パンも持参していたのだが、生憎の天気である。気温も水温も低く、小雨もぱらぱら。海開きしたはずの岩瀬浜にはほとんど人がおら ず、泳いでいる人など皆無。まあ、この天気で泳ぐなんて罰ゲームやね。浜辺には先日の台風の影響で流木やら海藻やらペットボトルやらがたくさん流れついて いて、それがまた寂しさ、物悲しさを引き立たせる。仕方なく5人で海をながめ、しばらくの間たそがれてから、ライブ会場のアナザホリデーへ。

 アナザホリデーは古い木造の民家を改造したカフェ。オレは通い始めて4年くらいになるのかな。中川君と奥野君もゲスト参加すると聞いて、アナザホリデーのノーリー&タカG夫妻はとても喜んでくれた。
 お店に着いたらまずは紅茶とケーキをいただく。これがうまいんだ。
  お店は40席で満杯の広さだから演奏は生音でも充分聴こえるくらい。実際、奥野君のアコーディオンはマイクを立てずに生音で演奏してもらうことにする。い い響き。リラックスして実に心地よいライブ。ライブで売られていた地ビールがまたうまいんよ。ついついステージで飲み過ぎてしまい、ライブ後半で中川君が 参加するあたりからかなり酔いが回ってしまう。おかげで、オレの演奏のテンポはかなり遅くなってたみたい。でも、楽しかったなあ。
 打ち上げはいつものようにアナザホリデーでノーリー&タカGのおいしい手料理をいただく。打ち上げの酒は昨日に続いて、ワイン中心。なぜか奥野君が打ち上げで弾けまくって、皆を笑わせまくる。あ~、腹よじれた。
 この日の宿泊は前日に続いて温泉付きホテル。寝る前にゆっくり湯につかる。
 地震の影響で明日の移動は大変そう。

2007年7月16日月曜日

循環活動

金沢 もっきりや
ソウル.フラワー.アコースティック.パルチザン
中川敬(vo,g,三線)/リクオ(key,vo)/奥野真哉(key)
 京都から金沢に向う前の午前中に、新潟で大きな地震が起きた事をテレビのニュース速報で知る。詳しい状況はまだわからないけれど、柏崎が多大な被害を受けたらしい。柏崎刈羽原発は大丈夫なのか?
 とにかく機材車に乗り込み金沢に向けて出発。滋賀のライブの後に東京に戻るはずだったかおりちゃんもスタッフとして機材車に同乗。
 旅は道ずれ世は情け。
 今回のツアー地は、自分にとってはどこもソロツアーでよく回っている場所だけれど、他のメンバー&スタッフにとっては初めて訪れたり、初めてライブをやる場所が多いので、彼らになるべく各地で地元の人達を紹介して、交流を持ってもらうように段取りすることにする。

 本日のライブ会場のもっきりやはオープンして36年になるそう。ずっと同じスタンスでこういうお店が36年も続いているというのは、すごいことである。大体30年以上続いているライブスポットって、日本では数える程しかないはずだ。
  自分が初めてもっきりやを訪れたのが高2の夏休み。自分の3つ上の姉が学生時代に金沢に下宿していて、もっきりやでずっとアルバイトしていたのだ。その頃 から今に至るまで、マスターの平賀さんのイメージは全然変わらない。いつまでもときめきを失わず、カウンターの中で心の旅を続ける素敵な親父である。
  もっきりやには音楽の神様が住みついている。我を主張し過ぎず、力を抜いて、心を開けば、何かがおりてきて、インスピレーションが湧き、必ずいいステージ ができる。さまざまな要素が出会い、からみあい、循環して音楽が生まれてゆく場。音楽は自分1人で作り出すものではなく、循環の輪の中に入ることによって 生み出され、共有される。もっきりやはそんな循環活動を36年間継続してきたのだ。そらいろいろ住み着きはるわ。
 先日ツアーでもっきりやを訪れたおおはた雄一君が、自分のステージで、この日のライブの宣伝をしていたので、興味を持って観に来たというお客さんがいて、嬉しかったな。最近彼がステージでオレの歌真似やってるって話をいくつかの街で聞いた。それ客には受けてんのかな。
 そう言えば、風味堂の渡君がライブでオレのステージアクションを真似してるって話も数人からきいたな。どんどんやってくれ。
 打ち上げはいつものようにもっきりやの姉妹店、ペーパームーンで。そこにはアプライトピアノが置いてあって、宴がたけなわになると、何か弾いてほしいと言われるのがパターン。この日は打ち上げの締めとして、2曲程弾き語ってお開き。

2007年7月14日土曜日

若者一過

近江八幡 酒游舘
ソウル.フラワー.アコースティック.パルチザン
中川敬(vo,g,三線)/リクオ(key,vo)/奥野真哉(key)
 ツアー初日。超大型の台風4号が近畿にも近付いているということで、生憎の雨。それでも会場にはたくさんのお客さんが集まってくれた。
 酒游舘は西勝酒造(株)所有の酒蔵をイベントスペースとして開放していて、毎月ライブイベントが催されている。9月には山口洋もライブをやるそう。建物は趣があって雰囲気もすごくよい。お客さんは、西勝酒造のお酒が飲み放題。自分もライブ前にちょっといただく。
 この日はライブ前に一つ、想定外の出来事が。沖縄県辺野古への米軍基地移転の阻止運動に参加している若者達が事前に、開演前の30分間ステージで話しさせてほしい旨を酒游舘側に伝えていたそうなのだが、それが開演直前までこちらには伝わっていなかったのだ。
  取りあえず開演前に若者達に楽屋に来てもらい、中川君が若者達に「話す時間は15分に短縮してもらい、エンターテインメントの場なのであまり堅苦しくなり 過ぎないないように」といった趣旨のことを伝える。時間が短縮されたことで若者達は少し不満げな様子。自分のソロステージだったら、このような要望を受け 入れただろうかと考える。
 若者達のアピールに興味があったので、客席後方から様子を観ていたのだけれど、喋りがつたなく空回り気味。ステージで 他者と向き合う準備がまだできていない感じ。ただ、こういう思い切った行動に出れるのが、若者の素晴らしさであり、特権でもある。ライブの後に彼らと話を してみたかったのだが、自分に挨拶もなく帰ってしまったのは残念。
 辺野古の基地移転問題に関しては、ソウルフラワーユニオンも問題意識が高く、 今年の2月にはソウルフラワーの一員で沖縄在住の英ちゃんが中心になって、辺野古でのライブイベントを開催している。今回のツアーには「辺野古節」という 新曲もレパートリーに入っている。いい曲です。

 ツアーの初日が関西でよかったかも。お客さんの乗りが良いから、こちらも乗せられるし、 リラックスしやすい。今回のツアーでは、自分が歌う曲も7曲あって、ツインヴォーカルのステージといった感じ。ソウルフラワーという冠がついているのに、 自分がこんなに歌っていいのかなというためらいもあったのだが、この日のライブのお客さんの反応を観ていると喜んでくれているようなので、いいのかなと。 演奏のクオリティーはこれからまだまだ上がってゆくだろう。
 ライブ前は前回のツアーの反省を踏まえて、3人でMCを控えようと確認していたはず なのに、ステージに上がったら喋る喋る(特にオレと中川君)。誰かが喋り出すと、必ず誰かがその上に乗っかって喋り出すから、話がなかなか終らない。で、 お客さんにも受けるから増々調子に乗ってしまうのである。はっきり言って、ソロのステージで喋ってるときよりも、喋りのインスピレーションがどんどん湧い てきて、しかも瞬発力も高まっているから、面白いように会話がスィングしてゆくのだ。関西人が3人集まったときの喋りの相乗効果ってすごいわ。でも気をつ けな。音楽中心でやらんと。
 「アコパルのライブには、既にアコパルらしさがあるなあ」とメンバーも、多分お客さんも実感できたライブ。
 飲んで、食って、騒いで、ステージも遊びの延長。アコパルのツアーはそんな感じでいきやせう。つうか、普段のオレのソロツアーもそんな感じやけど。
 楽しくなりそう。

2007年7月13日金曜日

合宿リハーサル

11日から京都に3日間泊まり込みで翌日から始まるからなるソウル.フラワー.アコースティック.パルチザンのツアー用の合宿リハーサル。メンバーは中川 敬(vo,g,三線)、リクオ(key,vo)、奥野真哉(key)。そこにPAの松ちゃん、スタッフのかおりちゃんも合宿に加わる。
 短期期間 で覚える曲が多くてわりと大変。アコパルのセットでは中川君が三線を使って民謡を歌うコーナーがあるのだが、これらの曲のリズムのとり方が慣れなくて結構 難しい。自分は西洋音楽のリズムに慣れてしまっているので、どうしても2拍目と4拍目でアクセントをとろうとしてしまうのだ、民謡の場合はアクセントが1 拍目と3拍目にくる。これがなかなか慣れないのだ。
 アコースティックギターor三線とダブルキーボードによるトリオというのは、なかなか他にはない編成。自分がピアノを弾く場合は奥野君がアコーディオンを、奥野君がピアノを弾く場合は自分がアコーディオンを弾く場合が多い。今回はツインピアノの曲も2曲。
  奥野君と音を交わしていると、彼が鍵盤奏者として着実に成長していることがわかる。いまだに技術を盗むことにどん欲で、奏法に関して質問されることも多 い。奥野君、ミッキー、キョンさん等、自分の回りにはいくつになってもこつこつと技術を磨き続ける鍵盤奏者が何人もいて、刺激になる。
 リハーサルが終った後も皆で、飲んで、食って、語り合って、なんか青春やね。

2007年7月4日水曜日

酒場ライブ

 池袋のバレルハウスというブルースバーで毎月行なわれている東京60WATTSのVOのタケシのライブに遊びに行って、セッションに参加。
60WATTSの太郎(ギター)とバレルハウスのスタッフでもある青柳君(ウッドベース)も参加。
 開演前から皆で近くの立ち飲みの串焼き屋へ行って飲み始め、本番中もカウンターの中で演奏を聴きながらタケシのボトルを飲み続け、自分がセッションに呼ばれる頃には相当に出来上がってしまい、怖いもんなしの状態で、弾けまくる。
 で、打ち上げの途中で酔いつぶれる。記憶が飛んでるところもあるけれど楽しかった。タケシ、誘ってくれてありがと。
 懲りずにまた。

2007年7月1日日曜日

ソウルフラワー漬け

大阪、東京のうたの日シ リーズが終ってからの1週間は、ソウル.フラワー.ユニオンのレコーディング.リハーサル&レコーディングでスタジオ通いの日々。リハーサルの後に2日続 けて、中川君と2人で飲む。お互い「明日があるから、今日は軽く飲んで上がろう」などと言いつつ、結局終電を逃して、飲んでしまうというパターン。
 他の世代との付き合いにくらべると、自分は同世代のミュージシャンとの付き合いが少ない。ソウルフラワーの面々、中川君、奥野君、河村君、英ちゃんは、付き合いの続いている貴重な同世代ミュージシャン。
  レコーディングに参加して、繰り返しソウルラワーの曲を聴いて演奏していると、メロディーメイカーとしての中川敬の印象がどんどん強くなってくる。表立っ たイメージとは違って、その表現は実にリリカルでセンチメンタルな要素を多く含んでいる。彼のつくるメロディーラインにはどこか懐かしさを感じる。ソウル フラワーが目指しているのは「懐かしいけれど、どこにも属さず今までにないもの」なのかもしれない。
 シンガーとしての中川敬は、ソウルフラワーユニオンにおいては、ドスがきいた迫力ある歌声が印象に残りがちだけれど、実はソフトでメロウな歌唱の方にも魅力と可能性が多いにあると思う。シンガーに集中した中川敬というのも聴いてみたいなあ。
  とにかく中川君は実にさまざまな側面を持った表現者であり、しかもアンビバレンスな要素を多く抱えているところが興味深い。引き裂かれた要素がさらにこれ からどんな融合をみせてくれるのか楽しみ。佐野元春さんがソウルフラワーを「日本で唯一のオルタナティブ.バンド」と評したのもわかる気がする。