2008年11月30日日曜日

下北朝帰り

渋谷 BYG
「The Piano Night」
【出演】リクオ/山本隆太
 BYG育ちのピアノマン、山本隆太君企画の「The Piano Night」に出演。
それぞれのソロステージもありつつ、2人によるセッションもたっぷりと。 この日はイベントの色にそって、かなり偏った選曲。初披露した新曲に、結構手応えを感じた。大丈夫そう。
 隆太くんは着実に実力と自信をつけて、以前よりも楽しそうにピアノ弾くようになった。
 BYGでのステージは、ホームグランドならではのアットホームさ、安心感と同時に、毎回演奏のクオリティーは落とせないという緊張感の両方があるのがよい。
 ライブの後、そのままBYGで打ち上がった後、2次会は下北沢の馴染みの店を2件ハシゴ。どちらのお店も湘南へ越してから始めて顔を出した。
 昔からの知り合いであるHがやっているバーは、常に、独り身と思われる女性客がカウンター席に座っているのが特徴。そういう女性客が集まるのはHのある種の人徳なのだろう。
  この日もカウンター席で1人寂しそうに携帯を眺め続ける女性客がいた。店内BGMはその女性に聴かせるような'80年前後の歌謡曲&ニューミュージック。 「いとしのエリー」が流れたあたりでその女性の嗚咽が始まった。その様子を別の席で観ていた男性客がその女性の隣に座る。ほっときゃいいのに。そして、し ばらく2人で話した後、一緒に店を出て行くという展開。オレ達は「おいおい」と突っ込み。

 アホな話からまじめな話まで幅広く、夜は多いにふけて、もちろん朝帰り。

 帰りの車内で朝焼けにみとれる。

2008年11月29日土曜日

地元湘南ライブ

今日も夕暮れ時に湘南海岸を散歩。夏の湘南よりも今の季節の方により魅力を感じる。この感性は、40代半ばにさしかかった自分の年齢とも関係しているのかもしれない。

 夜は地元のミュージックバー、サウサリートで演奏する。マスターのジョージさんの人柄と音楽センスに惹かれて、たくさんの音楽好きが集まるご機嫌なお店で、自分が湘南に越して来て以来、最もよく通っている飲み屋である。
  これからは地元で小規模なスペースでのライブを定期的にやっていきたいと思っていて、自分の中ではこのライブがその第1弾という位置づけ。今回はホーム ページ等では告知せず、お店の告知と口コミだけに頼った。地元での小規模ライブの場合はこれからもサイト等では告知しないことが多くなりそう。
  そういう場で新曲をためしてみたり、気軽なセッションをやったりして、楽しみながら自分に栄養をつけてゆけたらと思う。そういう場を通して、地元の人達と のネットワークもより広げてゆくつもり。ローカルミュージシャンとしての基盤を持ちながら、より広い場に出て行けたら理想的である。
 サウサリートは最高の音楽好きが集まる場所だから、ライブが盛り上がらないはずがない。ファンとアーティストという関係性を越えたところで、その場にいたすべての人達と一緒に音楽を楽しんだ。

2008年11月24日月曜日

函館アリガト

函館「喫茶 想苑」

 いや~、よく寝た。浜野夫妻宅快適。まきストーブあったけ~。
 会場入りする前に、2人が所有する畑“panの森”を見学させてもらう。その後は日本海を眺めながらの露天風呂。まだリハーサルまで時間があったので、函館市内を車で案内してもらう。充実した午後である。

 一昨日の札幌くうに続いて、この日のライブ会場である想苑のグランドピアノも最高の鳴りであった。ピアノにはあえてマイクを立てなかった。つまり生音である。理想的な響き、空気感。すごく集中できた。いろんな要素が作用し合って、最高のライブ空間になった。
 ライブの後も、地元の人達と一緒に、夜更けまで飲んで、歌って、踊った。打ち上げ帰りの車の中でも浜野君と一緒にスプリングスティーンを大合唱。
 音楽最高。函館アリガト。

2008年11月23日日曜日

函館前乗り

 ホテルをチェックアウト後、三角山放送局のSくんとHくんが市内にあるオススメの蕎麦屋へ連れて行ってくれる。これがホントうまかった。
 2人に札幌駅まで送ってもらって、汽車(北海道ではJRを汽車と呼ぶ)で函館へ。乗車時間3時間半。思いのほか遠く感じた。東京から岡山くらまで行けるなあ。疲れた~。函館寒!
 明日のライブの主催者である浜野夫妻が駅まで迎えに来てくれて、そのまま市内にある温泉まで連れて行ってくれる。タオルとバスタオルも用意してくれていて、気が利くなあ。ここの温泉、室内風呂と露天風呂、それに水風呂とサウナが2つあって420円って、安過ぎやろ。
 風呂上がりのコーヒー牛乳最高。
 で、その後、2人が連れて行ってくれた居酒屋がまた美味かった。話も弾んだなあ。
 2人は福祉の仕事をしながら、家の近くの“panの森”と名付けられた畑で有機栽培の野菜をつくっている。ここでとれた野菜のニオイ、味は格別だ。
  食の充実って、ほんま大切やよなあと思う今日この頃。酒の席で、日本の食料自給率のことが話題になる。現在の日本全体の自給率は40パーセントを割ってし まっている。昭和35年当時の時給率が79パーセントで現在のほぼ倍だから、この半世紀の間に急激に自給率が落ちたことになる。これって、ものすごく深刻 な問題だと思うのだ。
 県別の食料自給率を調べてみると実は北海道がダントツ一番で100パーセントを裕に越え200パーセント近い数字になる。ちなみに東京はたった1パーセントである。
 日本の中でも特に景気の悪さが目立つ北海道ではあるけれど、この数字だけを見ると、今後、輸入頼みの食料事情と景気の悪化がさらに進んで抜本的な構造改革や価値感転換の必要に迫られたとき、北海道の時代が来るのではないかと思ったりもする。
 福祉にも関わっている浜野夫妻からは、介護の現場の厳しさや深刻な高齢者問題の話なども聞かせてもらう。こういう話が世襲の政治家には届いているのかな。
 今年宮古島に行ったときに地元の人達から、「この島では月給10万前後が当たり前で、15万円を越える人は少数だ」という話を聞いたのだが、その話を浜野君にしたら、「函館もそんなに変わらない」と言われる。

 この日は浜野夫妻宅に泊めてもらう。

2008年11月22日土曜日

札幌でセツナグルーヴ

札幌市街は早くも雪化粧。寒いけど気持ちいい。でも足滑る。

 北海道でバンド.スタイルでライブをやるのは今回が始めて。今まで実現できなかったのは、ぶっちゃけ経費の問題である。
 今回、主催の三角山放送局さん、協賛のピザハットさん、Mくん等の協力でやっと実現することができた。ほんと感謝である。
 くうの音は最高だった。ピアノのコンディションもベスト。素晴らしい空気感。ここでライブ.レコーディングしたら、きっといいものができるだろう。
 寺さんと朝ちゃんは自分の最高のパートナーである。彼らと学くん以上に、自分の目指すグルーヴを理解してくれている人はいない。もっと一緒にツアーを回れたらなと思う。
 とにかく札幌のお客さんにこのグルーヴを体験してもらえてよかった。アリガト。
★左から寺さん、オレ、朝ちゃん。

2008年11月20日木曜日

湘南海岸絶景

 昼下がりと夕暮れ時の2回に分けて湘南海岸を散歩。空気が乾燥して、空がよく澄んでいた。海の色も、越して来てから見た中で、一番きれいだった。
 この日は富士山の輪郭がびっくりするぐらいはっきりと見えて、手を合わせたくなるくらいの美しさだった。日本中の景色を見て回っているけれど、これほどの絶景にはなかなかお目にかかれない。
 いいところに越して来たなあ。

2008年11月19日水曜日

久し振り千葉

千葉市 ANGA(アンガ) 
「~ANGAの夜の過ごし方~」
出演者:リクオ/ANNY PUMP/スミタカツヤ/有松詩織
 久し振りの千葉。湘南からだと、東京をまたいで2時間かかった。遠!
 そして寒。もう冬かあ。先日までの沖縄とのギャップが激しい。
 リハーサルの後、駅前をぶらぶらと散歩。女子高生の化粧濃いなあ。

  ANGAでのライブは、いつも地元の若いミュージシャン数組がオープニングで演奏してくれる。自分の前に演奏してくれたANNY PUMPという2人組の女の子はSEにイノトモの曲を使っていた。彼女達のステージを観てすぐに、アナム&マキからの影響に気付いた。ライブの後に2人と 話しすると、イトノモとアナム&マキのステージをANGAで観て、影響されたんだそう。
 ANGA は地元の若いミュージシャンをちゃんと育てているなあと思う。
 関くん、ありがと。
 今度はゆっくりと打ち上がりたいね。
 また。

2008年11月15日土曜日

ASYLUM2008!!ー最高に楽しくて最後に考えさせられた

沖縄県那覇市 桜坂劇場ホールA
「ASYLUM2008」
「カフェミルトンへのサウダージオキナワ2008」
出演:新良幸人&下地勇/山口洋&リクオ/EPO/沢田としき(ライブペインティング)
  このイベントの首謀者である桜坂劇場の野田君は、これまで内地からのツアーミュージシャンと地元ミュージシャンの両方のライブを沖縄で企画してきた。彼は しばし沖縄から日本各地に足を運び、中央だけでなく地方で音楽文化を育もうと活動している人達との交流を積極的にはかってきた。「ASYLUM2008」 はそうした彼の姿勢が多いに反影されるイベントになった。
 今年の3月、野田君はわざわざ宮城県白石市にあるカフェ.ミルトンまで山口とオレのライブを観に来てくれた。そのときに彼からこのイベントへの出演依頼を受けたのだ。
  この日のホールAのステージには「カフェミルトンへのサウダージオキナワ2008」という副タイトルがつけられた(ちなみに同じ時間帯のホールBではバン バンバザールと比屋定篤子ちゃんがジョイントライブが行われていた)。ホールAの出演者は皆白石にあるカフェ.ミルトンのステージに立ったことのあるメン バー。EPOさんと新良幸人くんとは初対面、初共演である。もちろんミルトンの三浦夫妻もイベントに参加。ミルトン.マスターは開演前、1階のオープンカ フェのデッキで、DJを担当。ママはデッキに立ち、ブラジルのカクテルを皆にふるまった。

 出会い、再会、繋がりに満ちたイベントがス テージに素晴らしい化学反応をもたらしてくれた。特に沢田としきさんによるライブペインティングとのセッションはとても新鮮だった。曲に合わせて、キャン バスの絵が映像を見るようにダイナミックに変化していった。時として絵筆は、演奏に合わせてパーカッションになり、実にリズミカルにキャンバスを叩いた。 曲によっては沢田さんが大きなアクションでエンディングの合図を示してくれたりした。
 アンコールはメンバー全員で「テネシーワルツ」と「満月の 夕」をセッション。新良幸人&下地勇の2人は「テネシーワルツ」をウチナー言葉で歌った。「満月の夕」に新良幸人の三線はすごくはまっていた。 EPOさんのコーラスは曲に華やかさを加えた。実に印象深いセッションになった。
 アンコールの後、オレの紹介でステージに上がったミルトンママ&マスターが、来年の4月にミルトンのある白石で街フェスを開催することを発表した。点と点は確かにつながった。
 ライブの後、サイン会のために表に出ると、カフェのデッキで生音のセッションが始まっていた。お客さん、出演者、関係者らが入り交じって、劇場前の通りでライブの余韻を楽しんだり、飲んだり、語り合ったり、歌ったり。ストリートに音楽が満ちていた。

 この日は打ち上げの盛り上がりも凄ましかった。初対面同士がここまでアホになれるとは。ナイチャー(内地の人間)とウチナンチュ(沖縄人)が入り交じってのバカ騒ぎが夜更けまで続いた。素晴らしい。
  弘前アサイラムから斉藤さん、白石ミルトンから三浦夫妻、飯田からタテちゃん、渋谷BYGから安本さん、相馬の森田レコードから森田さん、長崎のベイサイ ドバーから工藤君、石垣島のすけあくろから今村さん&百ちゃんetc.ほんと各地から多くの人達がこのイベントに集まった。中央ではない場所で確実に音楽 文化は育まれ、つながりはじめている。そういう現場にいられることは、とても幸せだ。
 ほんとお腹いっぱいの1日だったのだが、打ち上げの後にも、さらに考えさせられる出来事が用意されていた。

  2次会のお店に向かう前に、沖縄そばを食べようという話になり、地元のタケチャンが皆を24時間営業の沖縄そば屋に連れて行ってくれた。そこでそばを食い 終えた後、店前の路上にしゃがんで、しばし皆と語り合っていたら、同じそば屋にいた自分と同世代くらいと思われる酔った男性客がこちらにつっかかるような な口調で「オマエらナイチャーか?」と聞いてきた。そうだと応えると、男は「税金は払ってるのか?」「ナイチャーは金儲けばかり考えて、ウチナンチュをば かにしやがって」などとまくしたてはじめた。
 つまり内地の人間が住民票を移さずに沖縄にやってきて、税金も払わずに金儲けばかりして、沖縄を食い物にしている、と言いたいわけだ。彼の訴えはしばらく続いた。
  男性が今の沖縄の現状や自分の境遇を、すべてナイチャーのせいのように語るのはどうかとは思ったけれど、ナイチャーに対してこのような感情、不信感を抱い ているウチナンチュは彼だけではないのだろう。その男性はナイチャーが沖縄のほんの一面にしか目をやらないことに対する不満も口にした。それはその通りな のだろうと思った。
 もしかしたら、翌日に市長選挙を控え、那覇には普段とは違うピリピリした空気があったのかもしれない。訪問者の自分達は、そういうことには無頓着だった。
 話し合いを続けるうちに男性は落ち着きを取り戻し、こちら側に非礼をわびてくれた。
 自分達は沖縄を食い物しようとは露にも思っていないけれど、自分達の無頓着さが結果としてそのような状況をもたらすこともあるのかもしれない。肝に銘じておくべきだと思った。
 なんと濃密な1日。

2008年11月14日金曜日

「ASYLUM2008」開催ーある再会

「ASYLUM2008」は、飯田、弘前、白石、東京、沖縄etc.日本中のさまざまな街から、音楽をはじめとする文化を通してつながった人達が集う街フェスである。
 桜坂劇場の3つのホールと劇場1階路上沿いのカフェ.デッキ、すぐ近くのライブハウス桜坂セントラルらが会場となって、3日間に渡り各地でライブ演奏、ライブペインティング、DJ、映画上映、楽器セミナーなどが繰り広げられるのだ。
 自分のステージは明日なので、この日は観る側として参加。各会場で、SION、山口洋、eastern youthのライブを観る。SIONのライブを観るのはホント久し振り。
 彼のライブを初めて観たのは学生の頃で、場所は京都の磔磔だった。その後、自分のCDデビュー直前に大阪のイベントでSIONと一緒になり、舞台袖で、酔ってゲロを吐いてる姿を目撃したこともあった。95年頃には、SIONのツアーとレコーディングに参加した。
 久し振りのSIONは元気そうだった。声もよく出ていた。相変わらず言葉がよく沁みた。嘘のない真っ当な歌ばかりだと思った。長年の相棒である松田さんのギターも素晴らしかった。
 打ち上げにも参加してSIONと久し振りに話した。かってSIONのツアーに参加した時、最終日の打ち上げの席で彼から言われた言葉を自分はずっと忘れることがなかった。
「リクオは自分と同じシンガーソングライターなのだから、人のバックではなくそちらをやらなきゃいけない」
そう言われて自分は嬉しかった。SIONは自分の気持ちをわかってくれていると思った。だから、今回SIONと再会して自分が歌い続けていることを直に伝えられたのが嬉しかった。今度は同じシンガーとして共演できたらいいなと思う。
 打ち上げの席で、「オレはSIONよりもしぶとく歌い続けると思うで」と言ったらSIONが「うるせ~」と笑顔で返した。

2008年11月13日木曜日

沖縄でアコパルツアー最終日

沖縄県那覇市 桜坂セントラル
「ASYLUM2008前夜祭」
ソウル.フラワー.アコースティック.パルチザン
【メンバー】中川敬(vo,g,三線)/リクオ(key,vo)/奥野真哉(key)
 アコパルツアー最終日は沖縄公演。自分はこの日から4日間沖縄滞在。
 とにかく暖かい。日差しが明るい。空気がゆるい。まだ半袖で過ごせそう。内地との温度差が大きい分、真夏よりもこの時期の沖縄の方が南国気分を味わえる気がする。
  この日のライブは桜坂劇場が主催する街フェス「ASYLUM2008」の前夜祭として行われた。開演前、明日からこのフェスに参加するシンガーソングライ ターのタテタカコちゃんや、宮城県白石にあるカフェ.ミルトンの三浦夫妻等、方々から集まってきた知り合いと再会。自分の中でお祭り気分が盛り上がってく る。
 自分達の出番の前に地元のバンドが3組出演。その中には、7月に山口と沖縄本島に来たときにもオープニングで演奏してくれたタマシイや、打ち上げで一緒にばか騒ぎしたタケちゃんらもいて、嬉しい再会。3組それぞれが個性豊かで印象に残る演奏を聴かせてくれた。
 沖縄のお客さんは、生活に音楽が根付いているから、最初は大人しくても、いいステージを魅せれば自然に盛り上がってくれる。この日も、まさにそのような感じだった。
 ライブの途中からは沖縄宜野湾在住のヒデちゃん(伊丹英子)が三板(さんば)とお囃子でゲスト参加してくれた。客席で気持ち良さそうに踊る人達をながめながらの演奏はとても幸せだった。
 今回のアコパルのツアーは今までの中で最も弾けたツアーだった。体調を維持できたことが大きい。中川君もコンディションがよかったようで、声もよく出ていた。奥野君の演奏も終始エモーショナル。つまり3人とも調子がよかったのだ。
 中川君と同じステージで歌っていると、自分も触発されて声がいつも以上によく出るような気がする。やはりこういう刺激が大切。
 最近の自分はシンガーとして成長期に入ったように感じる。特に江ノ島で古謝美佐子さんの歌声を聴いて以降、明らかに発声がよくなってきている。古謝さんの歌を聴いて、「声こそまさに共鳴なのだ」ということをあらためて思い知らされ、自分の意識が変わったように思う。

2008年11月12日水曜日

AZUMIワールド堪能

横浜 Thumbs up
AZUMI レコ発ライブ
【ゲスト】リクオ/豊田道倫
 自分にとってAZUMIさんは特別な存在だ。これほどリアルに、何かに突き動かされるように表現する人を他に知らない。
 自分は人のライブを観て泣くことはまずないけれど、AZUMIさんのステージだけは涙腺がゆるんで困る。大げさかもしれないけれど、自分の魂の源がここにあるような感じがするのだ。
 こういう人が存在して、活動を続けてくれていることにとても勇気付けられる。原液のような表現だから、ポップミュージックとしてはなかなか成立しないかもしれないけれど、自分だけでなく、想いを持て余している多くの人達に必要な、届いてほしい音楽だ。
 その音楽性はブルースミュージックの枠を大きくはみだしているけれど、自分にとってAZUMI さんは最高のブルーズマンだ。
 この日のライブで一緒にゲスト出演したシンガーソングライターの豊田君は、AZUMI さんの今回のアルバムのプロデューサーである。彼はきっと素晴らしいリスナーでもあるのだろう。本人に直接「AZUMI さんをプロデュースしてくれてありがとう」と伝えた。
 AZUMI さんと豊田君は共通のニオイがする。他の人が切り捨ててゆく部分こそを大切にしている人達なのだろう。
 この日の自分はAZUMI ワールドの中で、ベストに近い集中力を発揮できたように思う。AZUMI さんとのセッションタイムは他とは比べようのない特別な時間だった。

2008年11月9日日曜日

「元気ですよ!」と自己申告

仙台 retro Back Page
ソウル.フラワー.アコースティック.パルチザン
【メンバー】中川敬(vo,g,三線)/リクオ(key,vo)/奥野真哉(key)
 去年に続いてのBack Page 。
 去年はアプライトピアノを弾かせてもらったのだけれど、今年はなんとスタインウェイのグランドピアノが用意されていた。半年前に購入したとのこと。調律もばっちり。
 やっぱいい響き。楽しいなあ。あのピアノ、多分オレのこと好きになってるよ。
 というわけで仙台でも多いに弾ける。
 最初、客席後方で見ていた男性客が、ライブ後半で客席最前列までやって来て盛り上がってる姿を見て嬉しくなってしまい、本編最後の「アイノウタ」のエンディングのコーラス部分で客席まで降りて、その男性客と肩を組んで歌う。
 ステージ上で奥野君と中川君が楽しそうにしていると自分も嬉しくなる。
まさに「人生は祭り」という感じのツアー。

  この日の「満月の夕」は「筑紫哲也さんが好きだった曲を歌います」という中川君のMCを挟んでから演奏される。

 ライブの後打ち上がっていたらギタリストの佐橋さんから電話。藤井フミヤさんのツアーでキョンさんと一緒に仙台に来ているので、合流しようとのこと。もちろん!
 ツアー先で仲間のミュージシャンと合流するのって、嬉しいし、楽しいなあ。
★左からDr.kyOn ,

2008年11月5日水曜日

リベンジ.ライブー長野熱狂!

長野 ネオンホール
ソウル.フラワー.アコースティック.パルチザン
【メンバー】中川敬(vo,g,三線)/リクオ(key,vo)/奥野真哉(key)
 去年のアコパル長野公演は、中川君が風邪で声が出なくなり、自分が全曲歌うという非常事態になってしまった。その日のライブ自体は、マイナスをプラスに転化させるマジックが生まれて、とても印象深いものになったけれど、もちろん同じ事態は繰り返せない。
 それだけに中川君はじめ3人のメンバーもPAの松ちゃんも、この日のライブに対して特別な気合いが入っていたように思う。それは演奏者だけの思いではなかった。
 ありがたいことに、去年のリピーターのお客さんもたくさん集まってくれて、ライブは熱狂的な盛り上がりになった。狭い会場に凄い量のエネルギーが放出され、それらが実に勢いよく循環した。

 打ち上げもライブそのままの勢いで飲んで盛り上がる。自分の中でエネルギーが爆発して、いつまでもおさまらない感じだった。

2008年11月4日火曜日

高岡で温泉

 長野への移動日。
 移動前に前日のライブ会場もっきりやに寄ってお茶する。
 長野への道すがら、皆で温泉に行く段取りを考えていたら、平賀さんが高岡の平湯温泉をすすめてくれたので、そこへ向かうことにする。
 湯につかる前に、高岡で自分がよく行く蕎麦屋に皆を連れて行って腹ごしらえ。高岡は既に冬の寒さで、店内の座敷にはこたつが用意されていて、そこに常連と思われるおっちゃんが寝ていた。
 食事の後、自分達が地図を眺めながら平湯温泉の場所を確認していたら、そのおっちゃんが起き出して、「平湯へ行くより、近くの穂高温泉に行け」と、いきなり口を挟んでくる。その言葉があまりに確信に満ちていたので、急遽変更して穂高へ向かうことにする。
 その後、おっちゃんが「仕事は何をしてる」と聞くので、ミュージシャンだとこたえると、再びおっちゃんから「これとは関係あるのか?」とテレビの方をさして聞かれる。そのとき丁度ワイショーで小室哲哉逮捕のニュースを流していたのだ。
 こちらが「関係ない」と答えると、おっちゃんから「売れてなさそうだしな」と言われる。しかもその後奥野君はおっちゃんから「(小室哲哉と)似てるな」と言われていた。
 奥野くんの話によると、小室哲哉逮捕の後父親からも電話があり、「同じキーボードプレイヤーやけどおまえは大丈夫か?」と問いただされたそう。
 自分が90年代の小室哲哉のような状況に置かれたときに、今の心持ちを維持できるのか?想像しようとしてみたけれど、想像しきれなかった。
 
 お店を出た後、いくつかの峠を越え、紅葉の美しさに見とれながら川沿いの穂高温泉へ。
 いいお湯でした。
★蕎麦屋の前で。
★紅葉を背景に眠る奥野君。

2008年11月3日月曜日

「ベラ.チャオ」と「同期の桜」

金沢 もっきりや
ソウル.フラワー.アコースティック.パルチザン
【メンバー】中川敬(vo,g,三線)/リクオ(key,vo)/奥野真哉(key)
 前日のライブの主催者である渡辺くんに車で金沢まで送ってもらい、近江町市場で寿司を食ってから、会場入り。

 もっきりやは、いつ何時誰と来ても、旬な時間を過ごすことの出来る素敵な空間。この場に来るといつも力を引き出してもらう感じ。
 この日は、ライブ前半で中川君の三線の弦が切れて、しばらく演奏が中断されるアクシデント。でもライブって、こういうハプニングが盛りあがるきっかけになったりするのだ。
 三線は弦の張り替えに時間がかかるので、その間自分がトークで間をつなぐ。これが結構受けて、弦の張り替えが終わった後もしばらく話し続ける。

 アコパルツアー2日目にして演奏のクオリティーがぐっと上がった。メリハリの効いたいい演奏ができた。
 この日は、マスターの平賀さんのリクエストに応えて「ベラ.チャオ」や「インターナショナル」といった革命歌を演奏。こういう曲って、盛り上がるなあ。曲の構造自体が参加一体型という感じ。 
 どちらの曲も演奏していて、とても高揚するのだけれど、少しの違和感が残るのも事実だ。それは、自分がデモや集会に参加したときにきっと持つであろう感情だ。

  そう言えば「ベラ.チャオ」を演奏して、思い出したことがある。自分が幼い頃、同居していた父方の祖父が、一緒にお風呂に入った時によく「同期の桜」とい う軍歌を聞かせてくれていたのだ。祖父は寡黙な人で、自分は風呂場でしかその歌声を聴いたことがなかった。かって、職業軍人であり、シベリアにも抑留され ていた祖父が、何か特別な思いを持って、自分に歌って聴かせていたのではないかと思う。
 「ベラ.チャオ」はパルチザン(抵抗運動や内戦、革命戦 争における非正規の軍事活動、組織、およびその構成員)への参加を決意した男性が死を覚悟して、恋人に別れを告げるイタリア生まれの歌である。そして「同 期の桜」も死を覚悟した航空隊員の歌である。パルチザン.ソングと日本の軍歌を並列して語ることに抵抗を感じる人もいるかもしれないけれど、どちらも「大 義のため、守るべきもののために自分を犠牲にして、殺し合いの場に赴かねばならない」という不幸な背景を持つ歌であるという点で共通していると思う。自分 はこれらの歌に感じ取ることのできるヒロイズムに酔うことには躊躇を覚える。
 自分には革命家的な気質があまりないと思うけれど、ある時代ある場 所に生まれれば「インターナショナル」や「ベラ.チャオ」を歌いながら、拳を振り上げたのかもしれない。あるいは戦前の日本に生まれていれば、八紘一宇を 夢見てお国のために身を捧げようとしたのかもしれない。
 「インターナショナル」や「ベラ.チャオ」を選曲する中川敬のセンスやある種の問題意識は、現在の日本のミュージシャンの中では希有だ。

 打ち上げのときに、マスターの平賀さんから提案があり、急遽12月24日のクリスマスイブに、もっきりやでライブすることが決まる。

★もっきりやのマスター、平賀さん。

2008年11月2日日曜日

高岡再び

高岡 カフェ・ポローニア
 音楽が好きで、バカになれて、行動を起こせる人間が街に1人いるかいないか、音を奏でることができて、人が集まれる場所が街に一つあるかどうか、なのだ。
 高岡には、渡辺君というぐっさん似のパワフルな男がいて、ポローニャという素敵なカフェがあった。だから自分は再び高岡に戻ることができた。
 再会した渡辺君もスタッフの女の子達も皆元気そうでなにより。この11ヶ月の間にまさみちゃんは結婚して、渡辺くんには2人目の子供が生まれた。おめでとう。
 前回は京都で和食の修行中だったマスターと初対面。ちょっと気恥ずかしそうな笑顔がなんともチャーミングな人だった。メニューに和食テイストを取り入れての再オープンは3月頃になりそうとのこと。
  ライブにはたくさんの人達が集まってくれた。去年の12月に山口と始めてポローニャに訪れたときも素敵な夜だったけれど、今回は前回以上にお客さんがライ ブの楽しみ方を心得ていて、受け身ではなく積極的にライブ空間をコーディネイトしようとしているように感じた。一回一回の開催を大切にしながら、定期的に ライブ.イベントが続けられてきた成果であることは間違いない。
 日本中の一隅で確実にライブ文化が育まれていることを実感する。
★ピアノの上にミラーボール

2008年11月1日土曜日

続きましてアコパルツアー

京都 磔磔
ソウル.フラワー.アコースティック.パルチザン
【メンバー】中川敬(vo,g,三線)/リクオ(key,vo)/奥野真哉(key)

 HONZIイベントの翌々日には大阪に向かい、アコパルのリハーサルを2日間行って、今日がツアー初日。息つく間もない日々。この一月で一体、何人の人と会って、何曲演奏してるんだろう?
 当たり前のことなんだが、共演する人それぞれに乗りが全然違う。心も体もしなやかに、その違いを楽しもうと思う。
 この日は、客席が最初から出来上がってる状態。集まったお客さんが最初から開放空間を用意してくれていた感じ。こら、乗っかるしかないわ。お客さんも演者もお互い、乗せ上手の乗せられ上手。
 ツアー初日ならではの手探り感を吹っ切る感じで、弾けさせてもらった。
老若男女が、ええじゃないかと楽しんだ。
★ ライブ前。楽屋にて。