2008年1月28日月曜日

問い続ける

レコーディング前日に、吉祥寺でジョン.レノンとオノ.ヨーコのドキュメンタリー映画「Love Peace」を観る。
  映画を観ながらジョンとヨーコはKYだなと思った。否定的な意味ではなく、肯定的な意味である。空気を読むどころか、ぶっ壊しながら前に進んでゆく破壊 力、バイタリティーがすごい、素晴らしいと感じたのだ。KYを気にする世の中に、枠からはみ出るようなスケールの大きな人物はなかなか登場しにくいかもし れない。
 それにしても、ジョンの歌詞はすごい。ポップスの枠を軽く超えていながら、曲はものすごくポップである。“イマジン”なんて、ものすごく過激な歌詞だと思う。しかし、あの美しいメロディーで歌われると、すんなりと言葉が入ってくる。
  イマジンのなかでジョンは“天国はない”と断言しているわけではなく、“天国のない世界を想像してみよう”と提案している点が重要だと思う。答や物語を人 にゆだねるのではなく、想像力と感性を鍛えて、自らの力で物語を紡いでゆくことの大切さを、ジョンは伝えたかったのではないかと思うのだ。
 ジョンは本当にあの世の存在を信じていなかったのか?神を感じることはなかったのか?ジョンの神の定義とは?そんなことを考えた。
 “自分にとっての宗教とは問い続けることだ”と語った牧師さんがいるそうだけれど、そうであるならば、その牧師さんとジョン.レノンは、そんな離れた場所にいるわけではないのかもしれない。
  例えば、自分はここ数年流行のスピリチャルカウンセリングに対しては、物語を相手にゆだねよう、与えてもらおうとする受け手側に姿勢の方に、より違和感を 抱く。今度は、あんなものはでたらめだというバッシングが強まり、そちらの方へ人々が一斉に流されていったりするのだろうけれど、それで問題の本質が解決 されたことにはならないと思う。

 ジョンの才能は、ヨーコとの出会いがなければ、あそこまで開花しなかったんだろうなと、映画をみてあらためて感じた。

2008年1月27日日曜日

はずみがついた!

新宿Marble
「流れ星が消えるまで2」
【出演】伊藤多喜雄/リクオ/渡辺兄弟/倉沢桃子
 新宿でライブって久し振り。Marble スタッフのM君の熱心な誘いでこの日のライブが実現した。Marble でのライブは初めて。
  いかにもライブハウスらしいライブハウスといった印象。地下にあって、楽屋が狭く、壁は落書きだらけ、トイレには若いバンドのフライヤーがところ狭しと貼 付けられている。多分普段は爆音のライブが繰り広げられているのだろう。以前に比べると、こういうスペースに身を置くのがちょっとしんどく感じるように なってきた。
 リハの後、歌舞伎町界隈を散歩。歌舞伎町のウラ通りのラブホテル街も歩いたのだけれど、週末ということもあり、カップルだらけ。いろんなラブホがあって、いろんなカップルがいて面白かった。
  レコーディングを2日後に控えた時期のライブなので、ライブ前まで気持ちの持って行き方が難しいいなと感じていたのだが、ステージに上がったら自分のコン ディションがとてもいいことに気づく。レコーディングとライブは集中力の使い方が違うと思っていたけれど、レコーディングに向けて準備を整え集中力を高め てきたことが、この日のライブにとてもいい方向に作用した。“あ~やっぱり練習した方がええねんなあ”と当たり前のことをあらためて感じた。あと、最近お 酒を控えてたから体調がいいっていうのもあったかも。まあ、この日はライブ前から飲んでしまったけど。
 伊藤多喜雄さん他、この日の出演者が客席 でライブを観ていてくれたのも嬉しかった。多喜雄さんのステージは初体験だったけれど、とにかくエネルギーに満ち満ちた圧倒的なパフォーマンスだった。話 もさせてもらったけれど、人間の器の大きな人だと感じた。多喜雄さんを体験してからステージに上がったことも、この日のライブに作用したと思う。
  多喜雄さんのサポートでピアノを弾いていた柴田敏也君のプレイも印象に残った。村上ポンタ秀一さんに見いだされた新進気鋭のジャズマンの存在は噂には聞い ていたけれど、この日出会えるとは思わなかった。ライブ後に彼が楽屋に訪ねて来てくれて、色々話した後に連絡先を交換する。まだ24歳。キラキラしてい た。
 エネルギーをもらって、はずみがついた。
★楽屋にて

2008年1月20日日曜日

よし、この感じ

本日は三宿にあるスタジオでレコーディング用のリハーサルをみっちりと。
 学君はレコーディングで使用する予定のグレッチとラディックのドラムセット2台持ってくる。どちらのドラムも素晴らしい鳴り。学くんだからこそ、ここまで鳴らせるのだろうけれど。
 レコーディングに向けて耳が冴えてきている。いい感じで集中力が高まって来ている。
 ★リハの合間に朝ちゃんと学くんが2人でセッション。

2008年1月19日土曜日

伝わり繋がる

吉祥寺 武蔵野公会堂
高田渡生誕祭
【出演】安宅浩司/annan/air plants/大塚まさじ/加川良/斉藤哲夫/シバ/高田蓮/中川イサト/中川五郎/中山ラビ/早川義夫/PANTA/真黒毛ぼっくす/松田ARI幸一/松永孝義/宮武希/よしだよしこ/リクオ

 渡さんは生きていれば59歳だったそうだ。まだ59歳かあ。おじいさんみたいに見えたなあ。でも、握手したら握力強かったなあ。
 学生時代の姉が金沢の路上で偶然渡さんから声をかけられて、昼間からおでん屋で一緒に飲んだことがきっかけで、オレは渡さんに出会った。20年以上前のことだ。
 若い頃にああいう印象の強い人に出会うと、その姿が刷り込まれて、今頃になってその影響が出てきたりする。多分渡さんのおかげで、人生の選択肢が少しひろがった。
 
 今年の生誕祭は、お互いが10代の頃から渡さんとの付き合いがあったという中川五郎さんがプロデュース。
  イベントの後半1時間は、オレのライブでもおなじみの歩ちゃんと阿部美緒の弦コンビとギターのがっちゃんの3人からなるインストバンド、エアプランツがス テージ上のホスト役になって、何人ものミュージシャンとコラボしてゆくという流れ。オレは最後から2番目の出演で、エアプランツの3人と一緒にジョン.レ ノンの「Oh My Love」と渡さんの「生活の柄」を演奏させてもらった。歩ちゃんの弦アレンジも素晴らしくて、新鮮な演奏ができた。
 色んな人達と再会した。楽屋では早川義夫さんやPANTAさんといった大先輩と色々話しさせてもらった。
  打ち上げではシンガーソングライターの安宅浩司君と色々と話した。彼は昨年デビューアルバムを出したばかりなのだが、その中で、オレの学生時代からの音楽 仲間である外村伸二の曲「恋コーヒー」を取り上げてくれている。オレの大好きなブルースマンであるAZUMIさんが「恋コーヒー」をカヴァーしているのを 聴いたのが収録のきっかけになったそう。こういう繋がりを知るのは嬉しいもんである。
 安宅くんやおおはた雄一くん達がAZUMIさんから多大な影響を受けているということに、自分も勇気づけられる。やはり届く人には届いているのだなと。
 この日集まった人達の多くは、ナイーヴでたくらみがなさそうにみえた。自分はもう少し深いなと思った。
★楽屋で。左PANTAさん。右早川義夫さん。

2008年1月14日月曜日

手応え有り

渋谷 BYG
【サポートミュージシャン】ベース:寺岡信芳/ドラム:坂田学/パーカッション:朝倉真司/チェロ:橋本歩/ヴァイオリン:阿部美緒
 今年初ライブ。BYGは熱気に満ちていた。お客さんが一杯で、期待されるっつうのは嬉しいもんである。
  最近ステージでよくしていた帽子をとって、伸ばし放題の髪の毛をさらしてステージに上がったら、客席からどよめきが起きた。ライブ前にトイレの鏡で自分の 姿をみて、「アンジェラ.アキみたいになってきたなあ」と思ったくらいやから、客もどよめくわな。自分でも新鮮なんだが、最近たまに、知り合いに気づかれ ない時があるのが少し寂しい。
 この日は、グルーヴを途切れさせるのがもったいない気分だったので、MCを細かく入れずに、なるべくDJ感覚で曲 間をつなぐようにする。そうしたら、あっという間に1ステージ目が終わってしまった感じ。これってヘルツをやってたときのやり方やなあ。ただ違うのは、あ の頃よりもっと、グルーヴに身を委ねるような気分で歌ったり、弾いたりするようになった。力が抜けて、逆に音の抜けはよくなった。
 この日のライブはレコーディングのプリプロ的な要素も含んでいたので、アルバム収録候補の新曲もたくさん演奏する。手応え有り。
 学君、朝ちゃん、寺さんのリズム隊は、オレが目指すグルーヴを理解し、共有してくれるほんとに貴重な存在。そのことを、この日のライブで再確認し、確信した。
 歩ちゃんと阿部美緒はオレがイメージする「セツナグルーヴ」の特に「セツナ」の部分を、受け持ってくれる重要な存在。このメンバーでのライブは、回を重ねればさらに素晴らしくなるだろう。とにかく、さまざまな可能性を感じることのできるライブだった。

 皆さん遅ればせながら今年もよろしく。
★リハーサル中

2008年1月13日日曜日

やってるやってる

 年末年始は地元の大阪&京都で遊んで過ごした。泊まりがけで温泉にも行った。
 年が明けて東京に戻ってからは、モードが変わった。今月末からレコーディングを控えていて、色々と準備に忙しい。自分の中ではもう始まってる感じ。週末にはレコーディング参加メンバーを迎えてのライブもある。
 年が明けてから新曲を数曲仕上げた。やっとできたという感じ。しばらく曲作りをしないと、すぐに作り方を忘れてしまったような気分になる。
  曲作りにはライブとはまた別の集中力を使う。集中力が高まると、まず予感のようなものが訪れて、曲ができそうな気分になる。そうすると大抵、メロディーと 言葉が降りてくる。そういう瞬間には、自分に無限の可能性を感じる。曲作りは孤独な作業だけれど、曲が出来上がる頃には孤独感はなくなっている。巡りめ ぐって底が抜け、何かと繋がったという実感があるからだ。そしてまた忘れる。この繰り返し。

 今日はライブとレコーディングの準備を兼ねたバンドのリハーサルがあった。レコーディングを控えているので、アレンジをいつになく入念にチェック。
 いいメンバーがそろったもんである。音に向き合う姿勢が気持ちよい。余計な邪念や我がなくて、いい音を響き合わせることに集中している。無理に主張せずとも、それぞれの演奏者に華と色気が備わっている。テイクを重ねるごとに、どんどんグルーーヴが増してゆく。
 このまま音楽に没頭していたいなあ、音楽のことだけ考えていたいなあという気分。
★髪が伸びました