2011年12月25日日曜日

着ぐるみをまとったパンクロッカー、ギターパンダ

【出演】ウルフルケイスケ/ギターパンダ/リクオ
 SO-SOの酒井夫妻とは、彼らがSO-SOをオープンさせる前からの付き合い。「会社員を辞めてライブハウスをオープンさせたいと思っているので、そ の際には出演をお願いしたい」という旨のメールを酒井君から受け取ったことが、付き合いの始まりだった。

 ギターパンダこと山川ノリヲ君とは、互いのデビュー時のレコード会社とレーベルが同じで、20年を超える付き合い。当時のノリヲ君はディープ&バイツと いうバンドをやりながら、忌野清志郎&2,3'Sのメンバーでもあった。最近のお客さんは、知らない人も多いとおもうけれど、自分は初期2,3'Sの一員 だったのだ。
 当時は、ノリヲ君と音を交わす機会がとても多かった。清志郎さんと共作してプロデュースもお願いした「胸が痛いよ」のレコーディングでは、ノリヲ君がギターで参加してくれている。
 ノリヲ君とは、昨年開催した自分のデビュー20周年イベントに参加してもらうことで、久し振りの再会を果たすことができた。それが、きっかけになって今回の共演にも繋がった。
 ギターパンダ、ケイヤン、オレがそろえば、楽しいイブにならないはずがない。けれど、この日のイブはただ楽しいだけのステージでは終わらなかった。特に ギターパンダと自分のステージには、3.11以降の影響が楽曲やステージングにはっきりと表れていた。
 この日のギターパンダのステージを見て、世の中に対する「違和感」が、彼の表現の大きな原動力になっていることを感じた。会場を爆笑の渦に巻き込んだ後 に、確信犯的な下ネタで場を完全に凍てつかせ、再び参加型の楽しい楽曲で場を盛り上げた後に、怒りと切なさが同居したシリアスなナンバーを歌い上げる。こ の対比、振り幅が、彼の抱える「違和感」を一層引き立てていた。あらゆる表現が過剰で、ぎりぎりのバランスをとり続ける危うさをはらんでいる。ほんと変わ らず不器用な男である。けれど、その不器用さが、リアリティーとなって、ぐっと胸に迫ってくるのだ。ギターパンダは着ぐるみをまとったパンクロッカーだ。
 ギターパンダとケイヤンが抱える「違和感」は、共通する部分があると感じた。ギターパンダの表現は、その「違和感」がむき出しになる瞬間がある。この日、2人は初共演を果たしたのだけれど、互いに相通じる部分を感じとっていたようだ。
 来年から始まるケイヤンとのバンド活動では、自分達が抱える「違和感」を、押し付けがましくなく、もっとダイレクトに、よりシンプルに表現できたらと思っている。この時期で、3人が共演できたことは、とてもタイムリーだった気がする。
 縁が縁を呼び込んで成り立った素敵な夜だった。

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