2011年2月26日土曜日

部屋にこもろう

 今月は、なるべく多くの時間、部屋にこもって、煮詰まって、曲を生み出そうと考えていたのだけれど、気づけば2月も数日で終り。以外にやることが多くて、あっという間に一月が経ってしまった気がする。曲は何曲か生まれたけれど、まだ煮詰まり足りない感じ。
 この日は、夕方迄、部屋のピアノの前に座って、曲作りなどしていたのだけれど、夜は飲みの誘いに乗って、3軒ハシゴ。初めて会う人達、馴染みの人達、とにかく一晩で多くの人達と出会い、飲んで、語り合う。
 夜がふける程、酔いも深まり、調子に乗って、多いに盛り上がる。なんか、すごく面白い話をしてたような気がするんだけれど、ある時間以降、どんな話をしたり聞いたりしていたのか、あまり思い出せない。いや、多分、たいした話はしてないんやろな。

 芸術と人生は一つの勝負であり競争である。ー三島由紀夫

 自分に当てはめるには大げさ過ぎる言葉だけれど、考えさせられる言葉でもある。
 今日は部屋にこもろう。

2011年2月25日金曜日

リハもーサルも一期一会。さあ、来週からケイヤンとのツアー!

 来週からのツアーに向けて、ケイヤン(ウルフルケイスケ)と最終リハ。
 リハーサルで1番時間をかけたのは、2人のコーラスの部分。今回は1曲でパートを歌い分けたり、2人でハモったりする曲が多いので、ハーモニーを考えて パート分けをしたり、2人の歌のタイミングを合わせるのに、かなり時間を費やした。その過程で、あらためて気づかされることが多かった。「一緒に歌う」と いうのが、今回のツアーのポイントの一つ。
 2人による選曲は、コードが少なく、構成のわかりやすい曲ばかり。ケイヤンと演奏していると、3コードのシンプルな制約、流れの中にある無限、自由をあらためて確認することができる。とにかく、楽しく盛り上がれるのだ。
 今回、ケイヤンとスタジオに入ってみて、「 リハーサルにも、本番同様の発見や化学反応があるなあ」とあらためて思った。「新鮮味をなくさないために、リハーサルはそこそこにして、本番にとってお く」という考えは理解できるし、自分自身そのような姿勢でのぞむことも多いけれど、ちょっと、もったいないことをしていたのかもしれない。リハーサルも本 番も関係なく、演奏する度に、毎回、発見とときめきがあれば、それは素晴らしいことだと思う。難しいけれど。
 でも、学生の頃に、バンドをやり始めたときは、リハーサルとか、ステージとか関係なく、メンバーと一緒に音を出すこと自体が、ほんと嬉しくて、楽しくて仕方がなかったのだ。スタジオでケイヤンと演奏していると、あの頃の感覚を思い出す瞬間がある。
 「リハーサルだって、貴重な一期一会の機会。もっと真剣に楽しめるはず」これが今回のツアーリハーサルを通して、感じたことの一つ。
 ケイヤンは、いつでも、かっこつけず、オープンな態度で、謙虚さを失わず、まっすぐに音楽を楽しもうとしている。自分も常にそうありたいと思う

2011年2月21日月曜日

ケイヤンとリハーサル

来月から始まるウルフルケイスケくんとのツアー「MAGICAL CHAIN CARAVAN」に備えて、2人で下北沢のスタジオでリハーサル。
 今回のツアーは、それぞれのソロコーナーもありつつ、2人一緒による演奏曲も16曲程用意しているので、本番を迎える迄、何度が2人でスタジオ入りして、リハーサルを重ねることになっている。この日が2度目のリハーサル。
 スタジオで、集中して演奏していたら、時間があっという間に過ぎた。まだリハーサルの段階なのだけれど、2人で演奏することで起こる化学反応が楽しくて、面白い。この日、ほとんどの曲のアレンジが固まる。
 ケイヤンとはお互いがデビューする前からの知り合いなのだけれど、こうやって2人で本格的にツアーに出るのは初めて。すごく楽しみ。
 今回のツアーでは、シンプルなロックンロール、ブルース、ソウル色の強いナンバーが多くなる予定。ケイヤンと演奏してると、大学に入って本格的にバンド をやり始めた頃の気持ち、3コード、12小節の循環を覚えて、軽音のスタジオで延々とブルースやロックンロールをセッションをしていた頃のときめきを思い 出す。自分にとって、今回のツアーは、原点を思い出し、確かめる旅になる気がする。
 皆さん、お待ちしてます。

2011年2月19日土曜日

竹原ピストル君と出会う

よく飲みに行く藤沢のミュージックバー、ケインズに、竹原ピストル君が歌いに来るというので、遊びに行って、アンコールで飛び入りさせてもらう。
 竹原君がやっていたデュオグループ、野狐禅のライブを初めて観たのは、多分10年近く前だと思う。相当なインパクトだった。明らかに、日本の先人のシン ガーソングライター、遠藤ミチロウさんや友部正人さん等の影響が感じられた。上辺のスタイルを真似るのではなく、魂をコピーしている感じだった。こういう 才能が登場してきたことに刺激を受けたし、嬉しくも思った。
 竹原君がソロになってからのライブを観るのは今回が初めてだった。とにかく、惹き込まれた。野狐禅時代のインパクトを残しながら、歌唱も楽曲も以前より表現の幅がひろがり、深い味わいを感じた。
 演奏に向かう集中力も素晴らしかった。そのストイックな佇まいは、求道者や修行僧を想わせた。 
 アンコールではミチロウさんの「カノン」と中島みゆきさんの「ファイト」をセッションさせてもらった。実は、この時に、出会って以来初めて、竹原君と心 の通じ合う会話ができたような気がした。このアンコールのステージで、自分はやっと彼と本当に出会うことができたのだかもしれない。
 また、近いうちに、お互い旅の途中で再会できたらいいなと思う。

2011年2月15日火曜日

精神のリレー

吉祥寺スターパインズカフェ
「HONZI LOVE CONNECTION 3」
<出演>フィッシュマンズ(柏原譲&茂木欣一)/リクオ/三代目魚武濱田成夫/梅津和時/TOMOVSKY/Katsura Mazurka(アラン・パットン、岩原智、多田葉子)/福(熊坂義人、スパン子)/伊藤ヨタロウ/鈴木亜紀/みっち。/他
 HONZIが他界してからもう3年以上。このイベントも今回で3回目。
 フィッシュマンズの2人、ヨタロウさん、Katsura Mazurka等、自分は、このイベントの出演者の何人かとは、HONZIを通して知り合った。
 HONZIは、世代とか、ジャンルとか、フロントとサポートとか、仕事と遊びとか、そういう垣根を作らず、フットワーク軽く、たくさんの人達と共演して、音楽を心から楽しんでいた。そして、どこにいてもHONZIはHONZIのままだった。
 「HONZI LOVE CONNECTION 3」はHONZIの取り持つ縁によって成り立つイベント。そこは、出会い、再会、寛容、遊び心、高揚感に満ち満ちた空間だった。
 どのステージもHONZIの存在が感じられ、まるでHONZIが出ずっぱりのようにも思える夜だった。この場で、精神の共有とリレーが行われていると実感した。繋げていかなくちゃ。
 打ち上げでは、ソウルで「空中キャンプ」(フィッシュマンズのアルバムのタイトルからとった名前)というお店をやっている韓国の若者達と合流して、多いに盛り上がる。

2011年2月10日木曜日

Rootsで高揚

埼玉県川口市 LiveCafe Roots 
 昨夜は、藤沢のミュージックバー、ケインズでの竹原ピストル君のライブに飛び入りした後、お店で飲み続け、すっかり酔っぱらってしまった。深夜に帰宅後 もまだ演りたりない感じで、高揚感がおさまらず、朝まで音楽を聴き続けた。夜が開ける頃に聴いたDovemanの「Tiger」という曲が特に沁みた。
 目が覚めてからも、前日の高揚感を引きずったまま、ライブ地の川口市へ向かった。しばらくツアーに出ていないので、心身がライブに飢えている気がした。
 会場に到着してリハーサルを始めたら、なんだか少し、気持ちに体がついていってない感じがした。そのせいもあって、リハーサルはいつもより長めに行っ た。本番のステージでは、ほとんど違和感もなくなり、かなりエモーショナルに演奏できた。でもライブ後は少し息切れしてた。
 客層はいつもより年配の男性が多かった。女性ばかりよりも、ライブ好きのおっちゃんがいてくれた方が、ライブ自体は盛り上がることが多い。長野でいつもライブを主催してくれているT君夫妻が思いがけずライブを観に来てくれたのも嬉しかった。
 打ち上げの席で、RootsのオーナーSさんと色々話しさせてもらう。中学生だった70年代初頭に、中津川フォークジャンボリーを観に行って強い衝撃を 受けたことが、Sさんの音楽体験の原点になっているのだそうだ。Rootsは、70年代に、フォークやロックを聴いて青春時代を過ごした、団塊の世代に近 い年代の人達も集まるお店のようだ。
 この10年で、いろんなタイプのお店が増えたなと思う。日本のライブ文化の裾野がひろがったということなのだろう。

2011年2月5日土曜日

10周年を祝う

よく飲みにゆくミュージックバーの10周年イベントに遊びにゆく。 
 自分もセッションに参加して多いに盛り上がる。
 ステージと客席、プロとアマ、世代、ジャンル、そういった隔たりのない、実に開放的で自由な空間だった。
 10年間の積み重ねが、この素晴らしい夜をもたらしたのだと思う。多くの顔見知りと一緒に、10周年を、そして、この素晴らしい夜を祝福し合えたことが嬉しかった。
 この街に越してきてよかったなとあらためて思った。

2011年2月4日金曜日

渋谷でHEATWAVEの山口洋+細海魚のライブを観る

渋谷でHEATWAVEの山口洋と細海魚のコラボライブを観る。
 今月発売になる2人によるアルバム「SPEECHLESS」を聴いて、一つの音世界を徹底して追求している姿勢に感じるものがあり、山口洋のブログを覗 いて、今回のライブに彼が並々ならぬ思いでのぞむということを知り、これは立ち会っておかねばという気持ちになったのだ。
 何よりも、山口洋がステージ上で邪念なく演奏に没頭し、終始、高い集中力を持続させているのがよかった。こういう突き抜けた姿をみたかったのだ。MCがなくても、拍手がなくても、共鳴空間は成り立つ。
 山口洋はある一点突破の方法を見つけたのかもしれない。細海魚の力を借りて、「SPEECHLESS」という作品を完成させ、このスタイルでのステージを重ねることで、彼は、自分の中のある要素に向き合い、一つの確信を得たのだと思う。
 ただ、山口洋の多面性を知る者としては、彼のさまざまな魅力が統合された世界、緊張と緩和、シリアスとユーモア、宇宙と俗世界を自由に行き来する、よりひろがりと柔らかさのある世界を、さらに期待する。
 そうか、「さまざまな自分を受け入れて、それらを統合して、表現として昇華させてゆく」というのは、自分自身のテーマでもあるのだな。