2017年1月29日日曜日

絶望的な忘れっぽさを自覚して、逡巡しながら歩み続けるー「あれから」のこと

昨年リリースしたアルバム「Hello!」と先日リリースしたばかりのライブ盤「Hello!Live」に収録した「あれから」という曲は、自分自身にも問いかける曲だ。1年半前に曲ができたとき、6年近く前の、あのときの何とも言えない気持ちと、それ以降抱え続けようした問いかけを、4年の歳月を経て歌にできた気がした。https://youtu.be/ygP42ajCZc4




あれから何を終わらせたんだ
あれから何をはじめたんだろう 
ー「あれから」より

人は忘れる生き物だ。その忘れっぽさが救いになる一方で、すぐに忘れて同じ過ちを繰り返してしまうことに、絶望を感じたりもする。SNSの時代に突入してからは、自分も含めて、人々の忘れっぽさに拍車がかかった気がする。
忘れないためには、意志や知性が必要なんだと思う。増々スピードアップして大量の情報が流れてゆく時代の中で、時には立ち止まり、振り返り、逡巡する時間の大切さを、より感じるようになった。あの哀しみ、不安、畏れ、後悔、憤り、後ろめたさを忘れてしまえば、自分達の未来は閉ざされてしまうと思う。

この6年近い歳月の中で、自分が心掛けたのは「逡巡しながら、歩み続ける」ことだった気がする。極端に振り切って思考停止することを避け、グレイゾーンを行き来しながら、正しいと思う方向に向かう。もし途中で、その方向が間違いだったと思えば、改めることのできる柔軟性を維持する。実践できたかどうかは別にして、そうありたいと思い続けてきた。
その歩みの途中では、「選択」と「別れ」を避けることはできない。3.11以降の話で言えば、自分にとっては、例えば原子力発電所が別れを告げるべき存在だった。
「選択」と「別れ」には、いつも「痛み」がともなう。その「痛み」を忘れちゃいけない、「選択」からはずされた存在も忘れちゃいけない、どの方向に対しても共感のアンテナを鈍らせちゃいけないと思う。その姿勢をナイーブと言われるのなら、自分はナイーブであり続けたいと思う。
逡巡を繰り返しながらも、そうした自分の考えに関してはブレがない気がする。

あれから何を終わらせたんだ
僕らは今もためらいの中
夜空は星をなくしたまま
僕らは明日を描き出すんだ
ー「あれから」より

オバマ大統領は「民主主義はあたなだ」という言葉を残して、ホワイトハウスを去っていった。その言葉に誠実さを感じる。誰かが与えてくれた単純な物語に身を委ねたり、救世主やカリスマを求める時代が、良い時代だと思えない。
グラデーションに目を凝らしながら、丁寧に物語を紡いでゆこう、絶望的な忘れっぽさを自覚して、逡巡しながら歩み続けようと思う。
ー2017年1月29日

★リクオ・アルバム発売記念スペシャル・ライブ 〜Hello!LIVE 2017〜
【出演】リクオ with HOBO HOUSE BAND
Dr.kyOn(キーボード&ギター)/椎野恭一(ドラム)/寺岡信芳(ベース)/宮下広輔(ペダルスティール)/真城めぐみ(コーラス)
●2/2(木)名古屋・TOKUZO(得三)
●2/3(金)京都・磔磔
●2/5(日)東京代々木・Zher the zoo YOYOGI
【全公演メール予約フォーム】
https://goo.gl/forms/z5zOKVcyD61Q9yjT2
ライブ詳細→ http://www.rikuo.net/live-information/ 


●CD「Hello!Live」HR-003¥2800(税抜)15曲入り
●DVD「Hello!Live Movie」HR-004 ¥2800(税抜)21曲入り※ライブ会場限定販売
ー通販ー
タワーレコード・オンライン→ http://tower.jp/item/4406294
Amazon→ http://amzn.asia/f4AEH89
ー配信ー
OTOTOY高音質ハイレゾ配信→ http://ototoy.jp/news/84906

●『Hello!Live』特設サイト→ http://www.rikuo.net/hello-live

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